第5話 初カノ

 紹介してもらってから、2ヶ月経った。

この2ヶ月で4回食事に行った。

今のこの状態は、お友だちとして会っているって感じなのかな?


5回目の食事に時に、石中君が


「旅行に行かない?」


と、私に聞いた。


旅行?


「えっと、それは、泊まりで?」


「あ、うん。あ、ごめん。

旅行の話より先に、ちゃんと言わなきゃいけなかったのに、なんか、先走っちゃった。

改めて、田嶋美優さん、僕の恋人になってくれませんか?」


“”恋人“”


やっぱり、この人は真面目な人だな。


「こちらこそ、よろしくお願いします。

って、敬語になっちゃった」


2人で笑った。


これで、“”彼氏“” ができた。


彼氏……


高校の時につきあっていた秀ちゃん以来の彼氏。


だけど、目の前のこの人には、ドキドキも、トキメキも感じない。

真面目ないい人、ではあるけれど。


敬志くんや、池田さんみたいにドキドキして、トキメキを感じていても、私のことを愛してくれない人よりも、“”恋人になってくれませんか?“”

って、誠実に接してくれる石中君とつきあう方が健全だろう。


ドキドキも、トキメキもないけれど……


「あ、それでね、恥ずかしいんだけど、俺ディズニーランド行ったことなくて、彼女ができたら いつか行きたいな~って思ってたんだけど。

だから、泊まりでディズニーへ行かない?」


彼女ができたら いつか……

ディズニー 行ったことない……

それって、つまり?

誰ともつきあったことないって意味?

23歳まで?


「私ディズニーは、大好きで何回も行ってるから、おすすめのアトラクションとか案内できるよ!!」


「じゃ、ホテルとか予約入れたり、チケット取ったりは、俺がするから、日にちだけ決めよ?」


これは、聞いてもいいのだろうか?


「石中君、今までつきあったことってないの?」


「あははっ!そうなんだよ。

この歳で引くよね?

でも、初めての彼女が田嶋さんで良かったって思うよ。

田嶋さんが俺の初カノだよ!!」


“”初カノ!!“”


なんか、キュンとした。

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