第2話 お誘い

 石中君の身長は、池田さんよりもちょっと低いように感じたから、175センチくらいなのかな?

私は159センチだから、ちょうどいいくらいの身長差かも。

割りと今まで顔の好みを優先して失敗してきたのだから、この際顔はどうでもいいや。

顔も、悪くはない。

ま、普通って感じ。

まずは、お友達として付き合ってみて、性格とか中身が良ければ、おつきあいしてみるでいいかな。


連絡先を交換して帰ってきた。


ちょうど家に着いた時にラインがきた。


『今日は、ありがとう。

今度は、2人で食事でもどうですか?』


お誘い早いな~。

礼儀正しいのかな?


『こちらこそ、今日はお話しできて楽しかったです。

また、ぜひお食事行きましょう』


こんなもんかな。


『ちなみに、来週の金曜日か土曜日のご予定はありますか?』


えっ?なに?

だいぶ、グイグイくるな~!!

これさ~、宗教の勧誘か、美顔器とか化粧品とかを売りつけるみたいなやつ?

デート商法みたいな?

今日の今日で、来週は?って、なんか焦り過ぎで怖いわ~。


『すみません。

来週は、予定があるので、また改めて連絡しますね。

おやすみなさい』


はい、シャットダウン!

会ってみた感じだと、変な人っぽい感じはしなかったけどなぁ。

ちょっと春美に相談しよう。


『あの、なんだか、すみません。

出会ったばかりの夜に、失礼しました。

また、お暇あれば、声をかけて下さい。

おやすみなさい』


やっぱり、マジメそうな感じだよな~。

ちょっと、落ち着いた頃に、連絡してみよう。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


 初めて会ってから、ちょうど1週間が過ぎた。

この1週間、石中君からは1度もラインはきていない。

私も連絡しなかった。


『また、お暇あれば、声をかけてください』


って言われてたもんな。

ってことで、私からのラインを待ってるのかな?

来週あたりどうですか?って送ってみるか。

 

『こんばんは。田嶋です。

来週は、なんの予定もないので、石中君のご都合の良い日で、食事でもどうですか?』


おっ!!

既読 早っ!!


送信したと同時くらいに既読になった。


『今、僕もライン打とうとしてたところだった!!びっくり!!土曜日はどうですか?』


『はい、大丈夫です。

どこかいいお店知ってますか?』


『いいお店。

どんなジャンルですかね?

何を食べたいですか?』


そりゃ~そうだよね。

いいお店知ってますか?って、すごくざっくりした質問で、馬鹿丸出しだよな。

和食、洋食、中華、韓国料理、フレンチ、イタリアン、などなどなど……

いいお店って、たぶん私の方が詳しいんじゃないかな?

池田さんが、高級なお店や、予約がなかなか取れない人気店や、地元の有名店に連れて行ってくれてたから。

週1で1年ちょっと。

かなりの数だな。

あ、ラブホもいろんなところへ行った。


はぁ…………


池田さんに、彼氏つくってみれば?なんて言われて、その気になれば彼氏なんてすぐにできますよ!!って、あてつけみたいな気持ちで、彼氏をつくろうとしている。

今、彼氏が欲しいか?と聞かれれば、別にって感じだけど、とにかく早く作らなければと思っている。


『鰻って、お好きですか?』


『うなぎ!!なかなか食べに行くことはないですけど、好きです!

どこのお店がいいのか調べてみます。

とりあえず、来週の土曜日ということで、予定していてください。

よろしくお願いします』


どこのお店を選んでくるかな。



2時間後

『遅くなってすみません。

駅の東口方面にある、多津勢というお店を予約しました。

18時に駅で待ちあわせでいいですか?』


おっ!!

多津勢!!

いいところチョイスしてきたな~!!

あそこは、老舗だし、雰囲気いいんだよな~。


『ありがとうございます。楽しみにしてますね』





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