埋原:「先生、相談があります。」



放課後、職員室に戻ろうとする担任教師をつかまえた。



教師:「はい、なんでしょう?」


埋原:「電信学習器って、貸し出しはできませんか?」


教師:「できません。どういう使い方をするんですか?」



ダメって言ってから理由を聞き出そうとするのかよ。

こういう所がキショいんだよ、大人はさ。



埋原:「授業でどうしてもわからない事があって...。」


教師:「わからない事は、今、教えてあげられますよ。機械に頼らずに努力しましょうね。」



そう言うだろうと思ったよ。

バカのあたしでもわかるよ。



教師:「職員室に付いて来てください。わからない所、教えますよ。」



ヤバい。

下手な嘘ついたせいで面倒な展開になった。



抹元:「あ、ウメちゃん。」


埋原:「マッツン!」



友よ、素晴らしいタイミングだ。

あたしを助け出してくれたまえ。



抹元:「あ、先生と話ししてた?」


埋原:「もう終わったとこ!」


教師:「終わってないですよ。」


埋原:「先生、ありがとうございます!失礼します!帰ろう、マッツン。」



勢いで誤魔化して逃げた。

怪しまれるかもしれないけど、職員室で勉強させられる事に比べたらどうでもいい。

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