#04 こんなの初めて
「それで今日会って相談しようと思ってたら、突然の異動でフータ落ち込んでたでしょ? それ見て『今のフータなら強引に押し切れるんじゃない?』って思って、単刀直入に結婚の話からしたの。
まぁ、会社辞めて主夫になって欲しいっていうのは、ダメ元で言った私の願望だから、無理にでも会社辞めてとまでは言わない。でも、結婚の話は前向きに考えて欲しいの」
さっきまで玄関で唇を貪り合ってた時にギンギンになってた股間は、リカコさんの明け透けな本心を聞いて、すっかり萎えてしまった。
でも、お蔭で少しは冷静になってきた。
「リカコさんが結婚願望強かったことも、俺を結婚相手に選んでくれた理由も何となく理解出来ましたけど、リカコさんにとって結婚ってどういう物なんですか? 例えば、子供を作って旦那さんと一緒に子供の成長を見守りたいとかならまだ夢があるんですけど、周りがみんな結婚しだしたから自分だけ独身なのが嫌だからとか、さっき言ってたセックスのパートナーとしての夫婦とかだと、なんだか夢も希望も無くて、そんな結婚は悲しくないです?」
「うーん、そうね・・・子供はいずれは欲しいけど、今じゃないわね。それと、周りが結婚してるから焦ってるっていうのは、全く無いわね。
でも、セックスのパートナーとしての夫婦っていうのは、私は大事だと思うわよ?それこそ、二人だけで育むことが出来る大いなる夢だと思わない?」
結局一番大事なのは、セックスなのか。
「じゃあ、もし俺とセックスしてみてイマイチだったら、結婚の話はナシってことです?」
「あら、そんなこと心配してたの? そんなことは気にしなくても良いわよ。 今はイマイチでも夫婦になれば回数重ねて改善していくことが出来るし、そうやってお互いの性癖や性欲を満たす努力をするのが夫婦ってものでしょ?」
「うーん・・・」
普通の女性なら、経済的なことをまず考えると思う。
でもリカコさんは、経済的に余裕があって仕事も順調だから、こんなことが言えるのだろう。それを非難や否定をするつもりはない。
むしろ、こうまで清々しいほど堂々と言われると、そうやって結婚した夫婦の形という物を、見てみたい気すらしてくる。
「別に、結婚相手にセックスだけを求めるつもりは無いわよ? 仕事のことや家族や人間関係のことでも話聞いて欲しいし、そのことで悩んでいる時はアドバイスを求めたりしたいし、一緒に美味しい物食べたり旅行とかにも行って楽しい時間を共有したり、そうゆうことも含めて私はフータと結婚したいって思ったの」
俺の膝に手を乗せてそう話すリカコさんは、カサレリアで逆プロポーズしてた時よりも、強い意思を込めたような眼差しで俺をじっと見つめていた。
やっぱり、欲望まる出しだろうと、美人に真っすぐに見つめられると抗い難いものがあるな。
「な、なるほど・・・リカコさんの考えは概ね理解出来ました。
でも、色々引っかかるんですよね・・・。
そもそも、リカコさんの話には、愛が感じられないんですよ。愛は無いけど性欲を満たすパートナーとして俺を選んでいる様に聞こえるんすよね」
「何言ってるの?愛があるに決まってるじゃない。愛の無い結婚で良いのならお見合いで十分よ。 アナタに愛情を感じてるから、こうして必死に説得してるの」
「でも、リカコさんの話、愛よりも欲望と打算まみれじゃないですか」
「なによ、もう!欲望だって1つの愛のカタチよ!
もうこうなったら、私の本気の愛を見せてあげるわ!覚悟しなさい!」
リカコさんは叫ぶようにそう言うと、一度立ち上がって俺をベッドに押し倒し、馬乗りになって俺のベルトを外し始めた。
「と、とりあえず、シャワー浴びません?」
「バカね。そんなことしたら体じゅうボディソープの匂いになっちゃうじゃない。ソープの匂いが良いならお風呂でオナニーすれば十分よ。セックスはお互いの体臭も大事なスパイスなのよ」
そう言いながらもベルトを外したリカコさんは、俺のズボンとパンツも一緒に取り払って、露わになった俺のイチモツを右手で掴むと、爛々とさせた眼差しを俺に向けたまま、唇を広げた。
* * *
受け身になって相手からの一方的なセックスは初めての体験だった。
リカコさんとのセックスは、一言で言うと
『人生観が変わる程の地獄と天国』
焦らしに焦らされ、地獄の様な焦らしプレーの中で何度も懇願してしまい、最後には天国に導かれた。
よく、エロ漫画やエロ小説などで、女性が「こんなの初めて」と言って快感に溺れるシーンがあるけど、正にそんな心境だった。 俺は男なのにリカコさんの性技に翻弄され、涙がにじむ程の快感を味わった。
こんなセックスを知ってしまったら、もう俺には迷う余地は無くなった。リカコさんと結婚すればこの先もこんなセックスを味わえるのなら、元カノへの怒りや会社での挫折など、とても矮小なことに思える。
「久しぶりだから、凄く興奮しちゃった」ハァハァ
「そうっすね。俺も凄げぇ興奮しました」ハァハァ
「それで、どう?私の本気、わかってくれた?」ハァハァ
「ええ。 結婚の話、受けます」
「そう、良かった」
ベッドの上でお互い手足を投げ出して激しく呼吸を繰り返し、天井を見上げたまましばらく余韻に浸った。
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