魔王!結婚して!
菜乃花 月
魔王!結婚して!
「魔王!結婚して!」
【登場人物】
ユーシィー(女性):普通からズレている勇者。魔王に一目惚れ
ルナ(女性):のじゃロリ魔王
イクス(不問):ルナの宰相。ルナを溺愛
―ここから本編―
〜魔王城〜
ユーシィー:「やっとここまで来たぞ!魔王!」
ルナ:「よく来たな勇者!さぁ!わらわと勝負じゃ!」
ユーシィー:「か、かわいい・・・え、これが魔王?」
ルナ:「これって言うな!わらわにはルナという立派な名前がある!」
ユーシィー:「ルナちゃんって言うの?ここは危険だから一緒に帰ろうか」
ルナ:「ここ!ここがわらわのお・し・ろ!お!う!ち!」
ユーシィー:「うんうん、そうやって大きい夢を見るのも大事だよね」
ルナ:「わらわが小さいからってバカにするな!わらわは貴様より何百倍も生きておるんだぞ!」
ユーシィー:「へぇーすごいねー」
ルナ:「んぎいいいぃ!!いいだろう、そこまで信じないのならわらわの力見せてやる!ダークネススラっ(自分のマントを踏んでこける)んぎゅっ!・・・うぅ(涙ぐむ)」
ユーシィー:「か、かわいい」
イクス:「ルナ様ぁ~!・・・る、ルナ様!どうされたのですか?!」
ルナ:「うぅ~イクス~」
イクス:「あぁ愛しのルナ様。勇者にただの子どもだと思われ、魔王である事実を見せつけようと技をやろうとしてご自分のマントを踏んでこけたのですね!」
ルナ:「全部見てたなら助けろバカぁ!」
イクス:「すみません、可愛くて見守っておりました!今日も最高にキュートです!」
ルナ:「うるさいっ!もう~、とにかくあいつをやっつけるのじゃ!」
イクス:「承知ですわ!勇者様、悪いですが魔王様の命令です。ここで消えてもらいます」
ユーシィー:「魔王・・・」
ルナ:「や、やっと魔王と認めたか!そうじゃ!わらわは」
ユーシィー:「結婚してくれ!!」
ルナ:「はぁ?!」
イクス:「何をおっしゃるんですか!」
ルナ:「そ、そうじゃ!突然結婚など何を(ぬかしおる)」
イクス:「ルナ様はわたくしのルナ様ですが?!!お帰りくだいませ!!」
ルナ:「わらわはイクスのものになった覚えはないぞ!!」
ユーシィー:「魔王、いや、ルナ。いや!ルナちゃん!!」
イクス:「ルナちゃん?!わたしくだってまだ夢の中でしか言ったことないのに!!」
ルナ:「そんなの知りたくなかったぞ」
イクス:「わたくしも!わたくしもルナちゃんとお呼びしてもよいですか?!」
ルナ:「ぜったい許さんぞ!一度でも呼んだら貴様を追い出すからな!」
イクス:「それは嫌です!あっ・・・でも、どういう風にルナ様がわたくしを追い出すのかは気になります。ルナちゃん!あぁっ呼んでしまいました!!さぁ!わたくしを追い出してくださいませ!縛り上げますか?それとも封印ですか?それともそれとも全部の記憶を失いますか!例え記憶が消えても、あなたの元へ戻ってきますけどね!!」
ユーシィー:「すぐ二人だけの世界に入るのはやめてくれないか。私の話が何も進んでいないんだ」
イクス:「あぁすみません!つい、いつもの癖で」
ルナ:「わらわは色んな恐怖を一気に感じたのじゃ」
ユーシィー:「とりあえず三人で話したい。これはルナちゃんの将来に関わってくることだからな」
イクス:「話し合うのはいいですが、溺愛するルナ様を独り占めするのは先代からの役目ですので、ルナ様の将来はわたくしがいれば十分かと」
ユーシィー:「いや、私といる方がルナちゃんは幸せだ」
イクス:「絶対に?」
ユーシィー:「絶対の絶対の絶対にだ」
イクス:「それは聞き捨てなりませんね」
ルナ:「・・・なぜ魔王であるわらわの将来が勇者と宰相に委ねられているのだ?というか戦わないのか?最初の最終決戦みたいな雰囲気はどこにいったんじゃ?」
イクス:「ルナ様はわたくしのものです」
ユーシィー:「それは充分に伝わった。別に私はルナちゃんを独り占めしたいわけじゃない」
イクス:「では何がしたいんですか」
ユーシィー:「結婚したい。それだけだ」
ルナ:「だから、それがおかしいんじゃって」
イクス:「気持ちはわかりますよ」
ルナ:「わかるのか?!」
イクス:「えぇ。夢の中で何度も結婚しておりますから♡」
ルナ:「怖いから笑顔で言わないでほしいのじゃ」
ユーシィー:「ねぇルナちゃん私と結婚しよ?そしたら悪い奴から守ってあげるし、魔王だって倒してあげる」
ルナ:「だーかーらー!魔王はわらわなんじゃ!!魔王だから貴様一人くらい余裕で倒せるし!!」
ユーシィー:「可愛いねぇ」
ルナ:「この~~!!流れが戻ったぞ!」
イクス:「ぷりぷり怒るルナ様も可愛いです!!」
ルナ:「うるさいうるさい!!お前は味方じゃないのか!!」
イクス:「味方ですよ。あなたが魔王であろうが勇者であろうがいつだってルナ様の味方です!」
ユーシィー:「本当は別に魔王がいるんでしょ?無理しなくていいからね。さぁ、一緒に帰ろ?」
ルナ:「マイ ハウス イズ キャッスル!ナウなんじゃ!!なんでこやつはここまで信じてくれないんじゃ」
ユーシィー:「ルナちゃんが可愛いからだよ(頭を撫でる)」
ルナ:「えへへ・・・じゃない!!魔王に気安く触るな!!」
イクス:「そうですよ!ルナ様に触っていいのはわたくしだけです!!あなたは知らないでしょうけど、ルナ様は毎晩ペンギンの抱き枕がないと寝れないんです!そしてルナ様が眠った頃、抱き枕を避けてわたくしが抱かれているんですよ!!誰よりもルナ様の体温を感じているのはわたくしです!」
ユーシィー:「ず、ずるい!!私もルナちゃんを抱きしめて寝たい!!」
ルナ:「・・・今イクスには一生わらわに触れない呪いをかけた」
イクス:「無詠唱で?!そんなっ!ルナ様に触れないなんて!そんなの嘘です!ルナ様!!(触ろうとすると弾かれる)っ!ほんとに触れない!!」
ユーシィー:「これで私の方が有利になったな」
イクス:「くそぅ!!!」
ユーシィー:「はっはっは、どんな物語も勇者が勝つって決まっているんだよ」
ルナ:「イクス」
イクス:「はい、なんでしょうかルナ様」
ルナ:「あやつを倒すのじゃ」
イクス:「かしこまりました!」
ルナ:「本気でいけ。わらわが出る幕もないくらいでよい」
ユーシィー:「ふっ、私を倒せるとでも?」
ルナ:「わらわは魔王じゃぞ?・・・こんなやつでも傍に置いてる理由は」
イクス:「(詠唱)雪のように白く、冷たく、この場を支配する」
ユーシィー:「っ!空気が変わった」
ルナ:「強いからじゃ」
イクス:「全てをこのイクスのものに!ホワイトマ(ーク)」
ユーシィー:「(遠慮なくかぶせて剣でイクスを貫く)せいっ!」
イクス:「ふぎゃあっ!」
ルナ:「・・・え?」
ユーシィー:「傍に置いてる理由はなんだったかな」
ルナ:「・・・」
ユーシィー:「やっぱりルナちゃんを幸せにできるのは私ってことだねっ。さぁ!私の元へおいで!」
ルナ:「いやじゃ!絶対貴様のとこには行かないからな!」
ユーシィー:「なぁんでよー!だって邪魔者はもういないんだよ?一人では危ないでしょ」
ルナ:「なっ!わらわは一人でも生活できるもん!!なめんな!」
ユーシィー:「ほら、おいで。ルナちゃん。怖くないよ」
ルナ:「・・・」
ユーシィー:「ルナちゃん」
イクス:「ホワイトマーク!!!」
~イクスの背後からの攻撃を受けるユーシィー~
ユーシィー:「っ!くぁっ!」
イクス:「申し訳ありませんが、ルナ様はお渡しできません」
ユーシィー:「くそっ、生きていたか」
イクス:「あなたも随分としぶといですね」
ルナ:「はは、言ったであろう。傍に置いてるのは強いからだと」
イクス:「えぇ、わたくしは死にません」
ユーシィー:「不死身という事か」
イクス:「いいえ。ですがそれに近いかもしれません」
ユーシィー:「なんだと?」
イクス:「ルナ様と同じ空気を吸っている!それだけで幸せ!それだけでわたくしのHPは無限に回復するのです!!!ルナ様大好き!!!今日も可愛い!!!」
ユーシィー:「ば、ばかな!っ!!本当にHPバーが無限回復している!!」
ルナ:「そんな理由だったのか・・・仕組みは知りたくなかったのじゃ・・・」
イクス:「ルナ様がこの世に存在して健康に生きて呼吸をしている限りわたくしは死にません!!絶対に!!!」
ユーシィー:「なるほど・・・。好きという気持ちを身体に反映させるか。面白い」
イクス:「そしてルナ様の命令も絶対です。あなたを倒します」
ユーシィー:「・・・」
イクス:「ホワイトマーク・MAX!!」
ユーシィー:「(小さく笑う)ふっ」
~抵抗もせず正面から攻撃を受けるユーシィー~
イクス:「死にましたかね。ルナ様をルナちゃんと呼ぶなんて百億年早いんですよ」
ルナ:「・・・あやつ、なんで笑っておったんだ」
イクス:「ルナ様~!ちゃんと倒しましたよ~!!ご褒美にチューしてもいいですかっしますねぇ!んーーー!!さ、触れない!!」
ルナ:「呪いは解かないぞ」
イクス:「えぇ~!でも、ルナ様が目の前にいるだけでわたくしは幸せです!!!ご褒美ですありがとうございます!!!!」
ユーシィー:「そうだよな。ご褒美だよな。わかるよその気持ち」
イクス:「っ!あなた、死んでなかったんですか」
ユーシィー:「死ねないようになったんだよ」
ルナ:「まるで今その力を手に入れたみたいな言い方じゃのう」
ユーシィー:「お前、HP無限回復するんだよな」
イクス:「はい!!もう今も回復してます!可愛くて天使のルナ様を見てるだけでギュインギュインでございます!!」
ユーシィー:「私もギュインギュインしてるよ」
イクス:「そんなはずありません!これはわたくしだけの力ですから!」
ルナ:「まさか貴様・・・」
ユーシィー:「はああぁん、ルナちゃん可愛いねぇ!!」
ルナ:「ひぃっ!」
イクス:「そんな!そんなはずない!でも本当に、勇者の回復バーがギュインギュインしてます!!」
ユーシィー:「そう!!あなたが言った仕組みを私もそのまま活用してみたわ!!」
イクス:「そんなぁ!!ルナ様無限回復術はわたくしだけだと思っていたのに!!!」
ユーシィー:「ルナちゃんの可愛さがあればこんなもの余裕よ!」
イクス:「くっ・・・それは否めない・・・!」
ルナ:「もうこの空間怖い」
イクス:「ルナ様、申し訳ありません。わたくしにはあの勇者を倒せません。命令に背いたわたくしは何されますか?!罵るなり踏みつけるなりお好きにしてください」
ユーシィー:「ずるいぞ!私もルナちゃんに罵られたいし踏まれたい!そして結婚もしたい!!」
イクス:「ですよね!!最後のだけは聞き捨てなりませんが」
ユーシィー:「もう一緒にルナちゃんを育てるというのはどうだろう」
イクス:「それはとてもいいですが、独り占めしたい気持ちもあります」
ユーシィー:「やっぱりさっき殺しておくべきだったな」
イクス:「戦いますか?わたくしは死にませんよ」
ユーシィー:「私だって死なない」
イクス:「では、こうするのはどうでしょう」
ユーシィー:「なんだ?」
イクス:「ルナ様に選んでもらいましょう」
ユーシィー:「選ばれなかった方は潔く諦めるでいいな?」
イクス:「えぇ、ルナ様が選んだことですから」
ユーシィー:「いいだろう」
イクス:「ルナ様」
ルナ:「・・・何を選べばいいのじゃ」
ユーシィー:「それはもちろん」
イクス:「どっちと結婚するかです」
ルナ:「はぁ?」
ユーシィー:「ルナちゃん、結婚しよ!私と結婚したら危ない奴からは守ってあげるし、欲しいものなんでも用意するし、勇者って敵倒すだけでお金貰えるから一生生活に困らないよ!何もしなくていいから。一緒にいるだけでいいから!」
イクス:「いいえ!結婚するのはわたくしですよねルナ様!わたくしはいつでもどこでもお傍におりますし、何でもします!いつものように料理も作りますし、邪魔な奴は目に入れさせませんすぐに消します!ずっと一緒に暮らしましょ!!」
ユーシィー:「私だよね!」
イクス:「わたくしですよね!」
(同時に)
ユーシィー:「さぁ!選んで」
イクス:「さぁ!選んでください!」
ルナ:「はぁ・・・。じゃあ、条件を言うぞ」
イクス:「はい!」
ルナ:「二人で戦え。わらわは勝った方と結婚する」
ユーシィー:「わかった」
イクス:「わかりました!」
ルナ:「勇者よ」
ユーシィー:「なぁにぃ、ルナちゃん」
ルナ:「子ども扱いするな!・・・こほん、お主はどこで勇者になったのじゃ」
ユーシィー:「どこって・・・気付いたらかな」
ルナ:「そうじゃなくて、どの町じゃ」
ユーシィー:「えぇとノアールだけど、それがどうかしたの?」
ルナ:「ノアール・・・あそこか。いや、何でもないのじゃ。さぁ!二人はわらわをかけて戦うがよい。戦い方は任せるぞ。勝った方と結婚してやる。その間にわらわは滅ぼしてくる」
イクス:「わっかりました!さぁて何で戦いますか!絶対負けませんからね!」
ユーシィー:「せいっ!(剣を振る)」
イクス:「っぶない!ずるくないですか!」
ユーシィー:「先手必勝だよっ!おらっ!」
イクス:「っと!勇者の分際で・・・!手加減しませんからね!ルナ様と結婚して可愛いとこ見たり恥ずかしがってる姿を拝めたりするんです!」
ユーシィー:「私だって可愛いお洋服着せて、写真に残してやるんだからぁ!」
ルナ:「・・・さて、行くか」
~間~
ルナ:「ただいま」
ユーシィー:「ふへへ、おかえりなさぁい」
イクス:「わぁルナちゃんだぁ。ふえへへへ」
ルナ:「どうしたんじゃお主ら。なんでそんなにふにゃふにゃしておる」
ユーシィー:「最初普通に戦ってたんだけどぉ、ルナちゃんと結婚したら何したいかって欲望を話してたらどれも共感できちゃってぇ」
イクス:「色んなルナちゃんを想像してぐへぐへしてましたぁ。勇者の案の猫耳ルナちゃん!最高でした」
ユーシィー:「でっしょう!イクスの恥ずかしい台詞言わせるのもよかったよぉ」
イクス:「だよねぇ~」
ユーシィー:「ルナちゃん帰ってきたしあれやっちゃう?」
イクス:「やっちゃお~!」
ルナ:「何をするんじゃ。嫌な予感しかしないが・・・」
イクス:「ルナちゃんの好きなとこを順番に言っていくゲーム!」
ユーシィー:「いえーーい!!」
ルナ:「は?」
~ここからは山手線ゲームをするイメージ~
~「はいっはいっ」のとこは二回拍手でもいい~
イクス:「わたくしからいきますよ~!はいっはいっ、可愛い」
ユーシィー:「はいっはいっ、可愛い」
イクス:「はいっはいっ、すっごい可愛い」
ユーシィー:「はいっはいっ、めちゃくちゃ可愛い」
イクス:「はいっはいっ、超絶可愛い」
ユーシィー:「はいっはいっ、最高に可愛い」
ルナ:「やめろーーーー!!!やめるんじゃ!!!」
イクス:「どうしてですか!これからいいとこなのに!」
ルナ:「可愛いしか出てなかったぞ!!こっからも同じじゃろ!」
ユーシィー:「あっわかった!ルナちゃんも一緒にやりたいんでしょ」
ルナ:「違う!!」
イクス:「なるほど!じゃあわたくし、勇者、ルナちゃんの順番でいきますよ!」
ルナ:「わらわはやらんぞ!というかさっきから気になってたんじゃが、イクス、お前わらわのルナちゃんって」
イクス:「いっきますよ~!テーマはルナちゃんの好きなところ!!はいっはいっ、可愛い!!」
ユーシィー:「はいっはいっ、可愛い」
ルナ:「・・・」
ユーシィ:「ほら、ルナちゃんの番だよ」
ルナ:「・・・」
イクス:「ルナちゃん、はいっはいっ!」
ルナ:「・・・可愛い。ってちがぁう!!」
ユーシィー:「違くないよルナちゃんは可愛いよ」
イクス:「えぇ!もう!世界で一番可愛いです!」
ルナ:「うるさいうるさい!!そうじゃないのじゃ!!なんなんだこのふざけたゲームは!!」
ユーシィー:「大真面目だけど?」
ルナ:「だから怖いのじゃ!!あと、可愛い以外にないのか!!」
ユーシィ:「え?ルナちゃんの声も見た目も全部好きだからこそ可愛いって言葉が一番しっくりくるんだけど、足りないかな。まだ出会って数時間だけどここまで心奪われたのは初めてなの。ルナちゃんのためなら勇者にも魔王にもなるしお家も広いとこにするし、魔法もたくさん覚えるよ。だから一回猫耳つけてほしいって思ってる」
イクス:「いいですか、ルナちゃんが生きてるだけで尊いです最高です神様です生まれて来てくれて、何百年も生きてくれてありがとうございます。あなたと出会ってからわたくしは毎日幸せです。いつもご飯美味しいって食べてくれるのも、すぐマント踏んで転んで泣いちゃうのも、両手を握って寝るルナちゃんも最高に可愛いです大好きです。可愛いルナちゃんに攻められたいのでわたくしのこと襲ってくださいあと」
ルナ:「もういいもういい!!!怖いのじゃ!!愛が怖すぎるのじゃ!!わらわは魔王なんじゃぞ!!」
ユーシィー:「魔王って思ってるんだよねぇ、よおしよし」
ルナ:「お主は頑なに認めないな!・・・はぁだったら証明してやる」
ユーシィー:「魔王じゃなくてもルナちゃん好きだよ?」
ルナ:「うるさい!勇者よ、いや、元勇者よ」
ユーシィー:「元勇者?私は今も勇者だよ?」
ルナ:「お主たちが戦ってる間にノアールを滅ぼしてきたのじゃ。国王も村人も全員な。だから、もうお主は勇者じゃない」
ユーシィー:「そんなわけ!」
ルナ:「お主のステータスを確認してみろ」
ユーシィー:「・・・ほ、ほんとだ。勇者って文字がない」
ルナ:「だからもう、わらわと関わる理由がないのじゃ。だってお主はただの村人なのだからのう」
ユーシィー:「・・・」
ルナ:「イクス」
イクス:「はいっ!」
ルナ:「今日でお前は国に帰るのじゃ」
イクス:「なぜですか!」
ルナ:「お前の父上と母上に話してきた。もう充分に役目を果たしたから娘を戻したいとな」
イクス:「そんな!そんなの嫌です!」
ルナ:「宰相イクス。お主に最後の命(めい)を下す。今日でこの関係を終わりにして、国に帰れ」
イクス:「嫌です・・・!」
ルナ:「これは命令じゃ!」
イクス:「・・・わかりました」
ルナ:「これでわかったか。わらわが魔王ということが」
ユーシィー:「まぁいっか」
ルナ:「は?」
ユーシィー:「村人に戻っても力はそのままっぽいし、むしろ役目がなくなって楽だわ。どうせ仲間もいないからここに一人で来てるわけだし」
ルナ:「おい?」
イクス:「わたくしも、宰相としての役目は終えました。ということは自由ってことですよね!ルナちゃん!!結婚しよ!!」
ユーシィー:「あっ!ずるいイクス!ルナちゃんと結婚するのは私なんだけど!!」
イクス:「なんなら部下でもいいよ!雑に扱って!!好きにして!!」
ユーシィー:「ならさ、私とルナちゃんが結婚して、イクスはルナちゃんの部下になって一緒に暮らせば解決するんじゃない!」
イクス:「確かに!ユーシィーちゃん天才じゃん!!」
ユーシィー:「でっしょぉ~!」
ルナ:「あぁもう!!嫌じゃああぁ!!!!」
終わり
魔王!結婚して! 菜乃花 月 @nanohana18
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