ブラックバロー 前半
*この作品はフィクションです
全てが叶うなんて思ってない
でもここまで理不尽だと全てが嫌になってくる
きっかけは一瞬で理由なんて馬鹿のようだろう
小学生の頃、僕は事故に遭い損ねた
表現がおかしいと思うかもしれないが実際赤信号で歩き始めたのは
僕だった
車通りの少ない横断歩道で運が良ければ⚪︎ねればいいなってぐらいの感情でいつもみたいに歩いてただけなんだ
気づいたのは突き飛ばされたあとだった
目の前で少女が頭と足から黒いものが流れてて僕の目の中が真っ黒になったみたいだった
とりあえずこれ以上酷い現実を見たくなくて車道から歩道に引き摺った
少女は痛いなぁなんて言いながら笑ってた
「ここがゲームやマンガの中だったらカッコよく決まって痛くなかった
だろうな」なんて言って
その瞬間僕はこの世界は理不尽だと知った
僕がいつも⚪︎にたくてとってた行動で今日たまたま車が通って彼女がたまたま歩いてて彼女がたまたま間に合って彼女がたまたま⚪︎んだ
彼女が望んだ世界なら僕が⚪︎ぬのも簡単で彼女がカッコよくヒーローに
なることも簡単だろうに
こうして僕は自分の理想となる世界を作るためだけに生き始めた
所詮些細ごとだ
少女が生きたか⚪︎んだかなんて一ミリも興味なくて
僕は人に興味が持てないのだと知った
奇しくも僕のヒーローもどきになってしまった少女に僕ができたことは
持っていたカッターで少女を眠らせることだけだった
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