#19 金属スライム?合体する
私パンダヒーローこと斎藤あやめは、カメラをスライムに壊されてしまい、カメラ代を稼ぐ為深層へと降り立ちました―。
深層へと入ったあやめ。
やはり深層の景色も、上層〜下層まで全て同じの様だ。
「あーあ……でも、本当にショックだなぁ……カメラ壊されちゃって途中で配信切れちゃったから、きっと今頃みんなびっくりしちゃってるよね……帰ったらすぐに謝罪投稿しておかないとだ―」
あやめはため息を吐きながら歩を進めていた。
「―あ、そうだった。今は配信してないんだから、パンダのお面を着けてなくてもいいんだ!」
あやめは早速パンダのお面を外した。
久しぶりにダンジョン内で素顔を晒したあやめは、大きく息を吸い込んだ。
「……はぁ〜久しぶりのダンジョンの空気と香りだぁ……ずっとお面着けてたから、こんなにめいいっぱい吸い込むなんて久々だよ!」
実はあやめはダンジョンの空気と香りが好みだった。
陰キャな自分と同じ
あやめはまるでアロマオイルの香りでリラックスするかのように、とても安らいだ表情をしていた……。
「―あれ? またあのスライムだ」
目の前には、一番最初に出会った上層の金属スライムがこちらを見ていた。
「んーあのスライムは倒してもあまり欠片を落とさないし……でも、積みに積もればとも言うし……一応倒しておこうか」
あやめは剣を手に金属スライムへと近づいた。
しかし、近づいてくるあやめを見て金属スライムは物凄い速さで逃げ出してしまった。
「あっ、逃げた。こらー待てー!」
あやめは猛スピードで逃げる金属スライムを同じ猛スピードで追いかけた。
すると、狭い通路から広い場所へと辿り着いた。
「お? 何だか広い場所へ出て来たぞ……もしかして、深層のボスでも居るのかな?」
あやめが辺りを見回していると、先程の金属スライムと別の金属スライムが姿を現した。
「あれ、また新しいスライム?」
すると、また別の場所から別の金属スライムが一匹、二匹、三匹と続々と姿を現した。
「…え、なんかめちゃくちゃ出て来たんだけど? 何で急にこんなに出て来るの!?」
更に金属スライムの数は増えていき、遂には三十匹の金属スライムに取り囲まれてしまった。
「……ちょ、ちょっとこれは流石に多すぎでしょ!?」
金属スライム達はあやめを取り囲みながら、何やら揺れていた。
そして、一匹の金属スライムがあやめの前へと飛び出して来た。
―プニッ
別のスライムが一匹目のスライムへとくっついた。
―プニップニップニッ
更にまた別のスライム達が一匹目のスライムへとくっつく。
―プニップニップニッ……プニップニップニップニップニップニップニップニップニップニップニップニップニッ!!!
なんと三十匹の金属スライム達が一塊となってしまった。
―ピカーン
金属スライムが発光する。
次の瞬間、通常の金属スライムの十倍はあるであろう
「…す、スライムが、へ、へへへへ変身したあぁぁぁぁ!?」
★☆★☆
―なんと、金属スライム達は合体し、新たな姿へと変身してしまった。
「…す、スライムが変身するなんて、見た事も聞いた事もないよ!?」
巨大な金属スライムを目の前に、あやめは困惑していた。
―ビュッ
巨大な金属スライムは空高く跳ね跳んだ。
―え、ま、まさか!?
―ズドーン!
物凄い勢いと共に巨大なスライムがあやめ目掛けて落下して来た。
巨大な金属スライムのパワーは、ダンジョンの床を大きくヒビ割れさせる程の威力だった。
「―うわっ! あっぶな!!!」
間一髪で避けたあやめ。
「…こ、このスライムはかなり危険そうだ……だったら早めに倒すのが一番だよね?」
あやめは巨大な金属スライムへと跳躍し、剣を大きく振りかぶり攻撃した。
―ギィーン!!!
「……か、かったあぁぁぁぁ!?」
あまりの硬さに、あやめは剣ごと弾き返されてしまった。
そして巨大のスライムは再び空高く跳ね上がり、あやめ目掛けて落下して来た。
―ズドーン!
「―うわっ!!!」
またも間一髪で避ける事が出来たあやめだったが、巨大な金属スライムの前に追い込まれてしまっていた。
「…こ、このままだといつか押し潰されてしまう……し、仕方ないけど
—————————
あとがき。
最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!
【次回】あやめの秘策とは!?
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