#18 金属スライム?を握り潰す
私パンダヒーローこと斎藤あやめは、何やら変わったスライムと遭遇し金策として現在倒し続けています―。
「…お、また居た……えいっ!」
―バコッ!
最初は二回以上の攻撃でしか倒せなかった中層の金属スライムも、あやめは一撃で倒せる様になって来ていた。
「あ、また鋼色の欠片が落ちたぞ! けっこう順調に集まって来たなぁ……」
現在あやめの手元には十個程の欠片があり、金属スライムは既に二十体近く倒していた。
─何だか自分の力が強くなって来てる気がする? 硬いこのスライム達を倒し続けてるせいなのかな……うん、金策も出来て体も鍛えられて一石二鳥だね―!
『大分テンポ良くなったな』
『絵面は地味だけどな』
『スライムばっかだもんな』
『このダンジョンはスライム専門か?』
『そろそろ違うモンスターも出て来てくれ〜』
うーん、さすがに皆もスライムばっかりで飽きて来てるみたいだなぁ……。
でも、このダンジョン何故かこのスライムばっかりしか居ないんだよね〜正直私もちょっと飽きて来ちゃったし……早く下層へ降りようかな。
パンダヒーロー「み、皆さん。そろそろ次の下層へ降りたいと思いまーす! 今度はスライム以外のモンスターが居るかも?」
『賛成』
『ノ』
『ノ』
『次行こ』
『さすがに飽きて来たわ』
―バコッ!
あやめは最後の
あ、また欠片が落ちた……。
★☆★☆
―あやめは下層へと降りた。
しかし、下層も中層と上層と全く変わらない景色だった。
…下層でも全然景色変わらないんだ……こんなダンジョン本当にはじめてだなぁ……。
すると、ダンジョンの奥から何かがこちらに向かって
「おっ! 今度は翼の生えたモンスターだ! やっとスライムとは別のモンスターのお出ましだねぇ?」
内心期待するあやめだったのだが、なんとそのモンスターは翼が生えた
「ま、またスライムなのぉぉぉぉぁ!?」
『また!?』
『マジか』
『うっわ』
『もぅええって』
『このダンジョンはスライム専門で確定だな』
さすがにあやめのリスナー達も、スライムばかりの登場に萎えてしまっていた。
もーっ! スライムばっかりじゃあ全然配信映えしないよぉ……このままだと、視聴者数も再生数も全然稼げなくなってしまう……ど、どうしよう―。
すると、翼の生えた金属スライムがあやめにゆっくり近づいて来た。
「……ん、私に何かご用ですか?」
―プッ
バギィッ!
なんと、金属スライムの口から飛びたした鋼の塊が配信中のカメラへと命中し
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!?
「わっわっ……わ、わたしの……か、カメラがぁ……!!!」
壊されたカメラが無惨な姿で、あやめの目の前の地面に転がっていた。
絶望するあやめはそのまま膝から崩れ落ちてしまった……。
―ニヤニヤ。
そんなあやめの姿を、翼の生えた金属スライムは笑いながら空中で眺めていた。
「……よっ、よっ、よくもわ、私のカメラを……」
―ガシッ!
空中に浮かぶ金属スライムをあやめは素手で掴んだ。
「…あのカメラ、三万円以上もしたんだよ……? どう責任取ってくれるのよ……?」
―ミシミシミシッ
金属スライムを握るあやめの握力が段々と強くなる。
「……カメラが壊れたせいで、ライブ配信中断しちゃったし……せっかくここまでの配信が無駄になっちゃったし……もしかしたら後で炎上するかもしれないんだよ……」
―ミシミシミシッ!
金属スライムの原型が変化する程に、あやめの握る力がとんでもない程強くなっていた……。
「もうっ! せっかくの私の充実してた一日をどうしてくれるのよっ!!!」
―パアンッ!!!
なんとあやめは、そのまま金属スライムを素手で
ボトッ。
「……ん?」
握り潰した金属スライムから、今までの倍くらいの大きさの鋼の欠片がドロップした。
「……今までの欠片よりも大きい。もしかして、下に行く程このスライム達の落とす欠片も大きくなるのかな……?」
―はっ、だとしたら深層に行けばもっと大きい欠片がドロップして、壊れたカメラ代くらいは稼げるかもしれない!?
「よ、よし! 気を取り直して、深層でもっと大きい欠片を手に入れてカメラ代を稼ごう!!!」
あやめには謎のパワーが湧いており、その勢いのままダッシュで深層へと降りて行った―。
—————————
あとがき。
最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!
【次回】深層でまさかの事態が!?
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