#14 謝罪、そして深層ボス



 パンダヒーローこと斎藤あやめは、深層でハーピー達に襲われているアンチを見つけ、なんとそのアンチを身を呈して助けていた―。



「はあぁぁぁぁぁ!!!」



 ―ズバズバズバッ!


 ―バリバリバリッ!



 双剣に雷を纏わせながら、エルフもあやめに加勢しハーピー達を次々に倒していった。



「え、エルフさん!」


「パンダちゃん、私も加勢するよ! それに、パンダちゃんにだけいい格好させてられないもんね!」


「……ありがとうございます」



 あやめとエルフは背中合わせになりながら、ハーピー達に応戦した。



『うおぉぉぉぉぉ!』

『イッケー!』

『エルフもキター!』

『やっちまえ!!!』

『パンダちゃん最高!』

『お前ら手のひら返し早すぎ』

『ハーピー全滅させろ!』

『オラオラオラァ』

『パンダヒーローは不滅じゃあ!』

『パンダヒーロー最高!パンダヒーロー最高!』



 リスナーのコメントも、いつの間にかあやめ達を応援するコメントで溢れていた。



 ―な、なんなんだよ。

 コイツらのデタラメな強さは!?


 エルフはともかく、パンダヒーローはじゃなかったのかよ!?


 いや、てかインチキとか言うレベルじゃねーだろこりゃ。


 どっからどう見てもじゃねーかよ!!!



 アンチの男は、ただ唖然とあやめ達の戦闘を眺めていた。



「こ、これでラスト……!」



 ―ズバッ



 あやめは最後の一匹のハーピーを倒し、ハーピー達の群れは跡形もなく全て消滅した。



「フー、流石にちょっと張り切り過ぎちゃったね!」


「は、はい。でも、エルフさんのお陰で助かりました……」



 二人は少しだけ汗をかいていた。



「―さてと、おい、そこの君!」


「は、はい……!?」



 アンチの男はエルフの声にビビっていた。



「Sランクでも無いのに、深層に入るなんてルール違反だからね? この事はしっかりと協会へ報告させてもらいますからね! いいね?」


「は、はい……何にも言えねぇっす……」


「そーれーとー! ちゃんとパンダちゃんにお礼と謝罪しなさい! パンダちゃんが助けてくれなかったら、あなた今頃ハーピー達の餌だったのよ!?」



 アンチの男はあやめの方へと視線を向けた。


 あやめがビクッとする中、アンチの男はあやめの前へと歩いて来た。



「パンダヒーロー……いや、パンダヒーローさん! この度は助けて頂きありがとうございました! そして、今まであなたに数々の無礼な発言をした事を、どうか許してください! 本当にすみませんでした!!!」



 アンチの男は頭を深く地面に着き、土下座をした。



「え、えぇ!? べ、別にいいんですよ! ど、土下座までしなくても! わ、私もダンジョン配信はじめてから、少し調子に乗ってましたから……」



 いきなりのアンチの土下座に戸惑うあやめ。


 深層ではそんな少し緩やかな空気が流れていたのだが―。



『ギィエェェェェェ!!!!!』



 今までに無い程大きく、そして不気味な雄叫びが響いた。


 あやめ達が上空を見上げると、そこには通常のハーピーのの大きさのハーピーが羽ばたいていた。




 ★☆★☆




 ―ハーピークイーン。



 ハーピー達にはと呼ばれるハーピーが居る。


 女王蜂が働き蜂達に命じ、巣に蜜を運ばせてくる様にハーピークイーンは、配下のハーピー達に獲物を捉えて来る様に命じる。


 通常は、自身は巣の中で獲物を食べ卵を産むだけで滅多に外へは出ないのだが、あやめとエルフによって大量のハーピー達が倒され、巣に持ち帰るはずの獲物がいつまで経っても運ばれて来ない事にハーピークイーンは怒り外へと出て来てしまったのだ―。



「ひぇ〜めちゃくちゃ大きいハーピーだよアレ!? どうやって倒そう……あれ、パンダちゃんは?」



 なんと、あやめは未だに戸惑いながら独り言を永遠と話していた。


 そしてアンチの男は、あやめの後ろに隠れビビりまくっていた―。



 …え、これってもしかして私だけで何とかしないといけないやつ……?




 —————————

 あとがき。

 最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!


【次回】ハーピークイン VS エルフ!その頃あやめは……?


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