#4 必殺技、そして噛まれる



 私パンダヒーローこと、斎藤あやめはダンジョンの下層エリアへと到着しました─。



 パンダヒーロー「み、皆さん、下層に到着しましたよ!」



『おぉー!!!』

『めっちゃ自然やんここ』

『下層思ってたんとなんか違うな』

『ここからが本番』

『なんか中層よりも綺麗だな』



 コメント欄にもある様に、下層は中層と比べて自然豊かなエリアであり、水や食材も豊富なのだ。



 フフフ、みんな下層の景色に油断してるね?

 でも、下層は見た目以上にけっこう恐ろしい所なんだよねぇ―。



 すると、あやめの前方から多数のウサギの群れが現れた。



『え、ウサギ?』

『めっちゃ可愛いんだが』

『なんでウサギが下層にいるんだ?』

『ここ本当に下層か?』

『こいつモンスターなのか?』



「あ、あれは、人喰いウサギですね。可愛いウサちゃんだからと言って油断したらダメですよー? 噛まれたら引きちぎられちゃうからねぇ」



『いや、普通にヤバくて草』

『人喰いウサギとかガクブル』

『さらっと怖いこと言ったぞ』

『そんなヤバいやつ映してえぇんか?』

『パンダちゃん気をつけて!』



 フフフ、みんな予想通りビビってるなぁ?

 ここまでは私の計算通り……。


 ―よ、よし! ここで、私のをお披露目しちゃうぞー!!!



「で、ではここで、私のとっておきの必殺技を使おうと思います!」



『必殺技キター!!!』

『SSS探索者の必殺技とかヤバそう!』

『きっととんでもねえやつ来るぞ』

『あくしろ!』

『やっちゃってくださいパンダさん!』



 すると、あやめの周りをおびただしい数の人喰いウサギ達が取り囲んだ。

 これ程の群れに襲われたら、普通の探索者なら骨すら残らないだろう……。



「人喰いウサギの対処法は、ただひとつ。それは……一気に消滅させる事!」



 あやめは鞘から剣を抜き構えた。

 ―と同時に、人喰いウサギの群れが一斉にあやめへと襲いかかる。



「これが私の必殺技……」



 ―



 あやめは物凄い勢いで身体をコマの様に回転させた。


 あやめに襲いかかる人喰いウサギ達は、次々と回転斬りによって消滅していく。

 回転はどんどんスピードを増していき、まるで竜巻の様だった。


 そしてあっという間に、人喰いウサギの群れは全て跡形もなく消滅してしまった。



『は?』

『はまじ?』

『何これ?』

『誰か説明して』

『クソワロタwww』

『何が起きたんや…』

『必殺技強すぎw』

『マジか』

『最強キター!!!』

『さすがSSSランク探索者!』

『パンダヒーロー最強!!!! パンダヒーロー最強!!!!』



 あやめは、ドヤ顔でカメラに向かってピースした……のだが。



 ─ガジッ!



 なんと、仕留め損ねた一匹の人喰いウサギが、あやめの腕にかじりついたのだ!



「……痛いなぁ。おいたはダメでしょ?」



 ─バチン!



 あやめはデコピンで人喰いウサギを消滅させてしまった─。



『え』

『え』

『え』

『え』

『え』

『噛まれたぞ?』

『今噛まれたよな?』

『肉ごと喰われるんじゃなかったけ?』

『しかもデコピンでとか』

『もしかして無自覚最強か?』



 あれぇ? みんな何驚いてるんだろ…まぁ、いっか……。



 あやめは何食わぬ顔でそのまま先を進んだ─。




 —————————

 あとがき。

 最後までご高覧頂きまして、ありがとうございます!


【次回】新キャラの登場!!!


 少しでも「主人公が可愛い!」「応援したい!」「面白い!」と思った方は、フォロー、★評価、レビューをして頂けますと作者の励みになりますので何卒。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る