第52話 パーティ交流
「ご主人様、これは一体どういう事なのでしょうか?」
「ツバサ様、本当に大丈夫なのでしょうか?」
「ツバサお兄さん、僕少し怖い」
マヤさん、ターニャさん、エナが驚いた顔になっている。
俺だってそう思うよ。
今現在の僕達は、エルフや妖精族に囲まれているんだから。
「これは一体どういう事なんですか?」
「ツバサーーほら一緒に飲もうぜ!」
え~となんで?
「ツグナールさん。これ一体なんですか?」
「いやぁツバサ。俺らもう友達じゃんか? 酒場であったら友達なら一緒に酒位飲むだろう?」
まさか、ツグナールから酒に誘われると思わなかった。
しかも、周りには十人位のエルフや妖精族がいる。
「ツグナールさん、一緒に飲むのは構いませんが、僕の仲間はツグナールさんの仲間に嫌われているんで難しい……」
遮るようにツグナールさんが大きな声をあげた。
「お前等――っ! スノードロップが嫌いな奴いる! いねーよな!」
「種族なんて俺は気にしませんね。友好関係にあるパーティなんですから」
「義手や義足の奴もいるし、ジークの民も考えてみたら同じでしょう? まぁ全身なのは驚きますが……その程度の事ですよ」
「耳長族なんて気をつけなければ分からないし、俺は巨乳派なんでエルフのナインペタンより、大きい方が良いです」
「ハイエナ族って犬族や狼族とさして見た目変わらないですよね? 私気にしませんよ」
今迄がなんだったんだ。
そう思う位に、問題視してないような気がする。
「ツグナールさん、これどういう事ですか?」
「友好関係を築くにあたって種族に対する偏見は無くさせたんだ。俺達の種族エルフや妖精族、獣人族だって、場所によっては亜人と差別を受ける事もある。ツバサの仲間とは逆の意味でエルフだからって言い寄られたり、酷い国だと襲われる事もある。自分達が嫌がられて嫌な事は友好関係を築いた相手にはしないから、安心してくれ」
「そうか、助かるよ!」
「俺達はこれでも種族では顔が効く方だ。種族どうしの偏見が起きないように手を貸してやる。その代わり……」
やはり交換条件があるんだな。
「なにかあるのか?」
「豊穣の女神の元メンバーというだけで肩身が狭い。そちらの名誉回復に力を貸して欲しい」
なんだ、そんな事か?
もう、何とも思ってないのに……
「わかった、協力させて貰う」
その後、迷宮の探索者と一緒に食事やお酒を楽しんだ。
マヤさんもターニャさんもエナも凄く笑顔だ。
少しは改善されたとは言え、それは買い物などでの事。
こうしてプライベートで楽しく過ごせたわけじゃない。
仲直りして良かった。
本当に心からそう思った。
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