第48話 この世界の神と人 ①


これは、これで凄く面白い。


まるでSFの世界のヒロインにしか見えないサイボーグ少女※本当はジーク族


巨乳エルフにしか見えないターニャさん※本当は耳長族


そして 獣人のエナ ※ハイエナ族だからアレがある。


うん、何も言わなければ、どう見ても僕は、ライトノベルの主人公にしか見えない。


僕には活躍する人生よりも、気に入った仲間と面白可笑しく『無難に暮らす』その方が性に合っている。


贅沢な暮らしは望んでも出来ない。


だが、確実に此処に幸せがある。


それは言える。


「ツバサ様どうかしましたか?」


「ご主人様?」


「ツバサお兄さん…どうかしたの?」


「いや、いつもと変わらない日常が凄く楽しく思えるんだよ」


「そうですね、ツバサ様の言う通り、元の生活を考えれば、今は凄く楽しいですね」


「ふふっ、私も同じですよ」


「僕も…好きな物をお腹いっぱい食べられるなんて、凄く幸せ」


彼女達が言う、楽しい、幸せは僕の言葉以上に重みがある。


彼女達は…僕と違い不遇の中で精一杯生きてきたんだから。


『雪乃様ありがとう』


心からの感謝の気持ちを祈りにした。


『僕が翼くんを幸せにするのは当たり前じゃ無いか!』


すぐに僕にだけ聞こえる声で返ってくる。


これは凄く嬉しい反面。


心の声が全部聞かれているようで恥ずかしい。


◆◆◆





この異世界ブリエールは物凄く広いらしく、今の所異世界人(地球人?)に会えていない。


仕える神によっては人族同士の戦争や魔族相手の戦いや魔王討伐をしている者もいるようだ。


最近になって知った事だが選んだ神によって、色々と大変な思いをするみたいだ。


例えば、今回、揉める事になった豊穣の女神が仕える、女神パストルだ。


自然を司る神で『豊穣の女神』とクランが名乗っているように農業などに従事する者や自然を愛する者に祝福を与えるのだが…


兎も角、信仰する者が多い。


農業に従事する者、エルフやダークエルフ、妖精族等…勿論全部ではないがその人数は多い。


そうなるとどうなるか…


基本的にパストルの場合は、スキルやジョブだけ与えて放置。


村単位で飢饉が起きたりしない限り、何かする事は無いそうだ。


勿論、そこは神。


飢饉や山火事…大きな災害が起これば顕現して助けてくれる事もある。


豊穣の女神の運が悪かったのは『人数』


確かに豊穣の女神のクランの人数は確かに100人前後の人数で多い。


だが、とんでもない人数の信者を抱えるパストルからしたら、それでも少数に感じたのかも知れない。


また、沢山のスキル持ちだからどうにか出来る。


そうパストルが判断したのかも知れない。


真相は、解らないけどハズレでも無いだろう。


良く考えたら、前の世界でもそうだよな。


本当に神様や仏様がいたとしても、流石に全員の事迄手が回らないだから、前の世界じゃ神や仏に会う事が滅多に無かったのかもしれない。



人気の神には多くの信者がいて、自分を見てくれない。


逆に人気の無い神は、自分を見てくれるかも知れないが、有用なスキルやジョブを持っていない。


それに一度信仰したら、捨てるのには勇気が必要だ。


神様が本当にいるこの世界。


ある意味『信仰』で人生が半分決まってしまうのかも知れない。



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