第25話 謎の巨乳エルフ


お金には充分余裕があり、余りお金を増やしたくない僕はマヤさんと一緒に適当にブラブラしていた。


スラムの近くやポーターが良く居る噴水広場を見て回った。


「なかなか居ないものだね…」


「ご主人様、ギルメドは大きな都市です!場所が解らない以上は気長に探すしか無いと思います」


「確かにそうだね」


だけど、雪乃様が『仲間を用意してくれる』そう言ったんだからきっと出会いがある筈。


直ぐに必要という訳じゃないから気長に探せば良いか。


「結構、改めて見ると、色々な種族がいるんだね、エルフに色々な獣人、羽があるのは妖精かな?」


「妖精族ですね、鳥みたいな羽なら翼人ですね…ですが、ごめんなさい、私が居るからきっと仲間にはなってくれません」


「それは気にしないで良いよ! そんな事言ったら、僕の神様は貧乏神だから、同じような物だよ…」


「まぁ地位とお金が欲しい方が冒険者には多いですから、そうですね」


なかなか相手を探すのが難しい。


そう考えたら、マヤさんが仲間になってくれたのすら奇跡だ。


「ご主人様、あそこで座り込んでいる人が居ますよ…あれじゃないですか?」


30歳手前位の金髪の美人な、お姉さんが路上で寝ていた。


綺麗なストレートロングの金髪に尖った耳。


エルフと言えばスレンダーな筈なのに、巨乳に巨尻…前の世界で言うなら巨乳グラビアアイドルがエルフのコスプレをした感じだ。


だが、これは無いな。


だってどう見たってエルフ。


エルフはマヤさん達ジークの民を毛嫌いしているから違うだろ。


「だけど、あれはエルフじゃないのか? エルフはマヤさんを嫌っているんじゃないのか?」


「確かにエルフっぽいんですが違和感があります…行ってみませんか?」


マヤさんに言われるまま、巨乳エルフに近づいてみた。


傍で見ると結構薄汚れていて服もボロボロだし、近くに大きなボロ袋が置いてある。


かなり衰弱しているみたいだ。


「やっぱりエルフじゃないか?」


「そう…ですね、でも可笑しい…」


「それは今は置いておいて、マヤさんこの人助けてもよいかな?」


エルフはマヤさんを毛嫌いしている。


助けた所で、お礼どころか罵声を浴びせて来るかも知れない。


僕としては助けてあげたいけど、それでマヤさんが嫌な思いをするのは避けたい。


「ご主人様がどうしたいかですね…私はご主人様に従います」


「それじゃ、助ける…良いよね」


「ご主人様なら、そういうと思いました」


俺はエルフのお姉さんを背負い宿屋に向かった。


◆◆◆


宿に帰ってきてからが大変だった。


思った以上に彼女は汚れていて、ベッドに寝かす前にマヤさんに裸にして貰い洗って貰った。


服は…これはもう捨てるしか無いな。


僕のなら多分着れそうなので、取り敢えず僕の替えの服をマヤさんに着せてもらった。


虫でも僕にくっついたのか痒いので僕もシャワーを浴びる事にした。


「マヤさん、様子はどう?」


「まだ眠っていますね、どう見てもエルフにしか見えないですが、普通に考えてあり得ないんですよ…」


「そう、詳しくは後で聞くから、今は、ヒール」


「ご主人様、今ヒールって…魔法が使えるのですか?」


「器用貧乏のおかげでね」


最初、ポーションを使うつもりだったけど、良く考えたらジョブを『劣化 聖人(聖女の男版)』にすれば回復魔法が使える。


わざわざ、ポーションを使う必要は無いよね。


「話では聞いていましたが、本当に凄いですね、さすがご主人様です」


「それで、さっきの話だけど? どうあり得ないの!」


「彼女の容姿です…見た目が人族の30歳近いのであれば、普通に考えて800歳位のエルフになります。そこ迄生きていたならハイエルフの筈ですし、普通なら長老をはじめ地位も持っている筈です。冒険者でも可笑しいのに…ポーターをするなんて考えられないです」


確かにそうかもしれない。


「確かに…後は起きてから事情を聞くしかないな」


今は何も出来ないので、床に転がり休むことにした。









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