第17話
アキナは大空のなかを歩いている。
そして雲の狭間に、優しそうな顔をした石の僧侶を見つけた。三つの尾がある。
アキナが近づくと、石の僧侶は目を開けた。
「石?······動けないの?」
「ちょっと手がつかない精霊をうたった悪魔にやられてね」
アキナはつい泣きだしてしまった。
「こんなに優しそうなお坊さんなのに」
「私は三尾といってね。なに石にされても大丈夫なのさ」
三尾はゆっくりと間をもっていった。
「ここは2023年の春だね。いや、エルクに石にされて砕かれる前に次元を渡り歩いてきたんだ」
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