第18話

アキナは石になった三尾の肩にふれた。


「お坊さん······、家族は······?」


「昔は、娘がいた。りん(→訂正 晶)という。」


三尾はアキナににっこりと微笑んで「さてと、耳人形め、そういうことか」と目を閉じた。

「その燕が、案内する」


上をみると一羽の燕が青空をわたる。通った後には月の光が残る。


その燕は急降下すると、三尾の頭の上にとまった。

「りん、あいかわらずお天馬なことだな」


「お嬢さんですか?燕なんですか?燕であってとんびじゃないよな」アキナは自問した。


「精霊魔術師エルクは宇宙。ただし宇宙でさえも人の生まれ変わりまでは、征服できなかったんだ」


「精霊魔術師?エルク?、わ、わかりません!!」

 

「頭が混乱してきているね。アキナさん、今ならまだ間に合う。私たちとは関わるな。」三尾は目を閉じた。「しかし、君はとある男の子を愛している。そう、かわいいね、それはとんび君だ」


「なんでとんびを知っているんですか?」


「彼はサキュバスと恋に落ちたことがあるんだ。それはもうひとりの春子といういじめで自殺した女の子だ」


「ここは夢のなかの夢。アキナさん、闘っても逃げても人が死ぬ。そして、そういうのは私であればいいんだ。

さて、降りるかい?」三尾は微笑んだ。


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