第7話

小佐田から電話がきた。

「あ、とんび、お前今夜アキナに会うつもりだったんだろ。

お前、あのアキナ好きなの?」

僕は話を合わせることにした。

「ううん、ちっとも好きじゃないよ。」


「え?なんでむきになっているんだよ」


お別れだ。

「はっきり言ってね」


「え?」


「お似合いだよ。」言った。


「ありがとう。でも...」


「よかったね」


「ま、可愛いことは可愛いんだけどさ。

ちょっと地味でさ。」


「え?」


「それくらいで、アキナちゃんを。」

僕は続けた。

「ケーキ食べたんだよね。アキナちゃんは本当に小佐田君を好きだったのに」


「ケーキ?あ、違う違う、一緒に食べたんじゃないよ。

え?知らない?

どこにでもあるケーキ博覧会だよ。」


「なんだ。ケーキ博覧会か!」


よかった、ふられていない。

僕は自分の頬をつねってみた。


痛くない。

ふられていないのか、ふられたのか。

夢だ。


うぅ、目を覚ますとそこには空になった‘スイーテストアップルパイ’の箱と飲みおえた缶ビールが2本おいてある。


ビビ


スマートフォンを急いでのぞくと


(アップルパイでも食べたい!腹減った)とある。


そのアップルパイは、僕のお腹のなかだ。

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