第6話

僕は、池袋のデパートでアップルパイを買った。


僕と神山アキナで1つのホールだ。


アキナのメールには、(甘いもの食べたい、とんび買ってきて)とあった。


30分並んで買ったホールのアップルパイはまだ温かい。


帰宅する道で、背の高い小佐田にあった。


小佐田は、さっきアキナと高級なケーキを食べたという。


僕は、少し寂しくなった。


ただ、「甘いものは別腹だ」と信じてアキナの家に向かった。


メールがきた。

恐る恐る見てみる。

(甘いもの食べた。一人でね)


慌てて、返信する。

(アップルパイ買ったよ。一人で食べなくてよかったんだよ。小佐田君には勝てない。)


(アップルパイ?食べる食べる!

よくおっくんのことわかったね。

隠してごめん。)


(いいんだ、そういうものだし、)

会えない...


(あれ?とんび、どうしたの?)


(やっぱりいいや、アキナさん、小佐田くんと食べたならよかったよ。)


(え?とんび?どういうこと?)


僕はスマートフォンをしまった。

僕なんて...


どこからともなく、ラッパの音が聴こえる。

アップルパイの精に涙涙感謝して、夜の公園で一人でまだ温かいアップルパイを頬ばる。


さようなら、アキナちゃん

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