第5話

神山アキナ


僕が39度の熱を出したときに、神山から電話が来た。

「咳は?」

「大丈夫」

「じゃあ喉は」

「大丈夫」

「熱は?」

「大丈夫、39度しかない」

「そっか」

「よくあるやつだよ、アキナちゃんも気をつけて」

「え?えーーー!!」

「そんなに僕が優しいかな?」

「そうじゃない、39度あるのにその余裕?

それ普段にまわせよ。」

「わかった、また怒られた。ごめんね、切るね」

「ちょっと待て!」

「めぇ」

「ちゃんと治せよ」

「39度だけなのに?」

「バカか、お前! またね」

ガチャ

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