第8話

アキナからまたメールがきた。


(アップルパイ食べたーい)


僕は台所にりんごがあることに気づいた。


よしっ


僕は、りんごを宙に浮かべて窓からさよならをした。

りんごは浮かんだままゆっくりとゆっくりと、飛んでゆく。


(アキナちゃん、りんごを食べればいいんだ)


(りんごないよ)


(そんなはずないけどな。ちょっと待っていて)


僕は念じた。


20分がたった。


「アキナちゃん、りんご、あるんじゃないかな」


「やっと連絡がきた。ないよ、とんび、きらしているから」


「窓のところあたりじゃない?」


アキナは窓を見た。

するとそこに赤いりんごが1つおいてあった。

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