第3話
僕は勇気を出して「浮いているんですか?」と神山アキナに聞いてみた。
「え?なに?」
「背高くなりましたよね。それなんでですか。
それともつま先で立っているんですか?」
「私、今日、靴が違うんだ。いつもより1、2センチ高いよ」
僕は自信をなくした。
「浮かんだんじゃない」と歩きながら考えてしまった。
もとから僕が小柄なのだ。
だから、今度は僕はまた念じて、また念じて、また念じて浮かんでみた。
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