第9話
ノイアー、2歳の誕生会の翌日。
「〈コンコン!〉ノイアー様。入ります。」
少し、というかだいぶ遠慮がなくなったメイドのエリュシアが朝の用意のため部屋に返事を聞く前に入ってくる。
これがうちの母上と大体交互で行われるのだから、朝に平穏は訪れないだろう。
「うん。返事してから入ろうね。エリュシアさん。」
ノイアーはベットから起きあがりながら返事をする。そして、部屋に入ったエリュシアが今日着るノイアーの服をクローゼットの中から取り出し、ノイアーと会話をしながら着替えさせる。
「何を言ってるんですか?私とノイアー様の仲じゃないですか。」
「………うん。詳しく聞きたいけどやめておくよ。」
「聞いていただけないんですか?……それは残念です。」
(まったく残念そうに見えないんだけどな〜。)
そして、ノイアーを着替えさせ終えたエリュシアがノイアーと手をつなぎ部屋から出ようとするが、
「エリュシアさん。手を繋がなくても歩けますよ?」
その言葉を聞いたエリュシアは、ノイアーに振り向き、笑顔で言う。
「私がつなぎたいからです。だめですか?」
ストレートに言われたノイアーは、少し顔を赤くして
「だめ……じゃないです。」
と言った。
話が長引くのが嫌だったノイアーが、手をつなぎながら先を歩こうとする。しかし、身長が全然違うエリュシアにすぐ追いつかれ、2人して朝食の場所、1階の食堂に向かっていく。
◇◇◇
ノイアーとエリュシアが食堂の扉の前につくと、食堂の中から話し声が聞こえてくる。
エリュシアがそれに構わず扉を開け、ノイアーが来たことを知らせる。
「皆様おはようございます。ノイアー様を連れてまいりました。」
「おはようエリュシア、ノイ。」
最初に挨拶を返してきた人物は、185cmで中々のマッチョ。短髪で赤髪のキリッとした朱眼の目を持つノイアーの父親ガルフ・サー・ラングレイその人だった。
「おはようございます、父上。」
「おはようございます、旦那様。」
ここからが朝の挨拶ラッシュ。最初に声をかけて抱きついてきたのは、長い銀髪をおろしていて、少しだけ垂れ目気味になっている紫眼を持ち、スタイルはモデル体形っぽくあるが、素人目に見ても胸とお尻が大きい人で、優しさが全面に出ている人。
「ノイおはよ~う!」
〈ギュッ〉「ん~~。ん!おはよう母様。そろそろきつくなってきたよ?」
「そう?…………………そうね。これぐらいにしておこうかな。」
強烈な挨拶を受けたあと、最後に母様から頭を撫でてもらっていると次の人が声をかけてくる。
その人は、長い銀髪で紫眼を持ち全体的にいい感じの優しさが伝わってくる感じ。
強烈な挨拶を受けたあと、最後に母様から頭を撫でてもらっていると次の2人が声をかけてくる。
1人目の人は、長い銀髪で紫眼を持ち全体的にいい感じの優しさが伝わってくる感じ。特殊な香水を使っている可能性も無きにしもあらず。
続いて2人目の人は、桜色のボブヘアーで母様と同じ目をしている。
「おはよう。ノイ。昨日のゲームは楽しかったわよ。でも、あの灰色のローブを纏ったおじさんは誰かしら?私知らないのよね。」
「おはようフリージア姉様。ゲームを楽しんでもらえてよかったよ。それと、あの人は兵士さんにこの服着てやって下さいねって言ったんだ。」
「そうなの。ん?」
すると、フリージア姉様の服を後ろから軽く引っ張る2人目の人がいた。
「ね、姉さまだけしゃべっちゃだめ。」
「あら、ごめんねナキセ。」
すると横から
「おはよう、ナキセ姉様。ゲームは楽しかったですか?」
「おはようノイ。ゲーム、む、難しかった。でも楽しかった。………ありあとう。んっ噛んだ。」
フリージア姉様、ナキセ姉様と楽しく談笑していたら、2人の人物がこちらに来ていた。
1人は、短髪で赤髪。キリッとした朱眼に敵意はなくどちらかというと家族愛がありそうな感じ。
2人目は、赤と銀が混ざったツインテールでキリッとした朱眼。思い立ったらすぐ行動を地でしそうな感じ。
「おう。フリージア姉様にナキセとノイアーおはよう。」
「フリージア姉様おはよう。ナキセとノイアーもおはよう。」
フリージア姉様とノイアー、ナキセが返事を返す。
「おはようウィンブル、カティス。」
「おはよう二人共。」
「お、お、おはよ、う。」
この空気を察したのか、父上が言葉を発する。
「よし。みんなが集まったところで朝食にしようか。みな!席についてくれ。」
父上は喋りながら執事とメイドにハンドサインで指示を出していた。
こっそり見つけたノイアーは、
(うお~!あれがどういうハンドサインなんだ。戦いでも使ったりするんだろうな。)
と思っていた。
食事が終わり、食後のデザートと紅茶を飲んでいると父上から話が飛ぶ。
「ところでフリージア。将来について何かしたいことができたか?」
フリージア姉様は、少し考えるがすぐに答えを出す。
「今のところはなんとも、まずは学院に通ってから本格的に決めたいと思っています。」
「そうか。何か必要なものがあったら言いなさい。それと、婚約についてだがお前が支え合いたい人ができたなら、教えてくれると助かる。貴族としても親としても。」
父上ガルフは、やわらかい顔でいるが、フリージア姉様の方は緊張したっぽいな。
さらにガルフは今日の予定だったり、いろんなことを聞いて1人はやく仕事に行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます