第8.9話 誕生日会の話


⚫輪投げ(長男ウィンブル)


 「坊っちゃんやっていかないか?」


 突然灰色のローブを纏ったおじさんに声をかけられたウィンブル。


 「なんだよ!なんか面白いもんでもあるんだろーな。ノイアーの誕生日会で変なもんだしてたら怒るぞ。」


 意外に口が悪くても優しいお兄ちゃんだったウィンブル。


 「輪投げって言うんですよ。一応ノイアー様の考えた遊びですね。やってきます?」


 「ノイアーが考えたのか!?よし!やってやるよ!」


 意気揚々と答えたウィンブルに灰色のローブを纏ったおじさん定員が説明をはじめる。


 「じゃあルールの説明をしますぜ。ルールは簡単です。今から渡す輪っかを前にある3メートル離れた棒に入れればクリアです。輪っかは全部で3本で、棒の方にも番号があって1〜9のどれでもいいんで入れさえすればいいんです。わかりやしたか?」


 「ああ!大丈夫だ!じゃあやるぞ!」


 やる気に満ちたウィンブルだったが、みなさんが思った通り、3本全てあらん方向にぶっ飛んでいった。


 「坊っちゃん。大丈夫ですか?」


 おじさん定員はうなだれているウィンブルに優しく声をかけるが。


 「な、なに。も、もんだいないさ。」


 やっぱり辛かったのだろう。ふらふらと歩きながら自分の部屋へ帰っていった。

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