第4話
ノイアーはまだ赤ちゃんのため、起きている間は自身の臍下にある魔力のようなもの動かす挑戦をしていた。
その他にも声を出すためにたびたび「あ~う!あっう!」という練習をしていた。
それから数週間後にノイアーがいつもいる部屋に向かってくる音がなかなかの音量で向かってきていた。
ノイアーはベットで大人しくしている状態なので逃げ場などなく、心を落ち着けようとしていた。
(急にどうしたんだろう?遅めの顔合わせかな。う〜ん………………そうだと思うけどな。)
ノイアーの心が少しざわついているが、容赦なく扉は数回のノックで開けられた。
初めにあわられたのは、ノイアーが最近名前を知ったメイドのエシュリア。
さらに、授乳をしてくれる実の母レティシア。
次は、短髪で赤色、身長も高めでちょいマッチョ。ノイアーが今まで見たことがない人物。
その次、10歳届かないぐらいの少女。母親のレティシアに似て銀髪。雰囲気は優しいお姉ちゃん。
(いっぱい来たね。自我が前に出てからだから初めてのことだ。メイドのエシュリアさんと母親のレティシアさんしかわからない。あのゴツい人だれ?……………あの妖精さんみんな見えてるの?)
少々パニックになっているノイアーを置いておき、初めにレティシアがノイアーを抱っこする。
「ノイー、抱っこするよ。…………よいしょっと。う〜かわいいね~。私の髪とそっくり将来はママと一緒に暮らしましょうね!」
「やめてくださいレティシア様。ノイアー様のことは一応私を通してもらわないと。」
「そんなこと決まってません〜〜。」
女性の会話に割り込むことの難しさを全くわかっていない男がしゃべりだす。
「レティシア。俺にも抱っこさせてくれ。仕事でやっとノイアーに会えたんだから。」
「むーーーわかりました。でもガルフ。ちゃんと優しく持ってあげてくださいね。」
「大丈夫だ。俺もこれでも夫なんだ。4度のミスで学んでいる。」
この言葉を聞いたノイアーは
(あの人 俺の親父なの?! まじか、しかも4回抱っこ失敗してるって下手くそなの?
しょうがない、ここは俺が一肌脱いでやるよ!)
そして、とうとうガルフに抱っこされるノイアー。ノイアーの命運は以下に。
「よし、ノイアー。抱っこするからな。」
ガルフは周りの人にアドバイスをもらいながら優しいタッチでノイアーをまず持ち上げる。
その後も、周りのアドバイスとノイアー自身の抱っこされやすそうな位置に動いていく。
そのおかげもあり、ガルフはノイアーを抱っこすることを成功させる。ただ、周りのみんなの声を集めるなら、「それ赤ちゃんがすごいと思うよ」になるだろう。
ただ、初めて抱っこに成功?したガルフは清々しいほど嬉しそうにしていた。
(この人すごいな。抱っこさせようとするだけで赤ちゃんの体力全部持っていった。)
ノイアーは体力の無さと自分の親父の不器用さにがっかりしていた。
だが、まだ終わったわけじゃなさそうだ。
だって、母さんとメイドのエシュリアの後ろから抱っこがしたそうにこちらを見る妖精がいるんだから。
心の声(妖精さん、大丈夫だよ。まだ1回ぐらい体力ならあるからおいで。)
赤ちゃん声「あう~。あうあうあー!」
頑張ったノイアーを見て、なおかつガルフと呼ばれていた親父がいなくなったのを見計らって、ノイアーに向かい走っていった〔パタパタ〕うん、かわいい。その後ろに母親とメイドがついてくる。
ノイアーを前にした妖精さんが最初に挨拶をする。
「ノイアー聞こえるかな?えっと……長女のフリージア・ラングレイ 6歳 。…………抱っこしてもいい?」
「あう!あう!」
「よかった~。母様手伝って!」
「ええ。気をつけてね。」
その後は特に問題なく、というかガルフが問題ありすぎただけなんです。
ちゃんと1人で抱っこ出来たフリージア姉様は、母様とメイドのエシュリアの許可が出て今後ともノイアーと遊んだり抱っこする権利が与えられたそうです。
なぜ与えられたそうです。と言っているというとガルフの抱っこが大変で疲れたためノイアーは就寝中だからです。
ノイアーとしては(フリージア姉様と遊んだりすることは嬉しいです。ただガルフという父様が今後不安で仕方ない。)という気持ちがあります。
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