第15話。
※話に入るにあたって、本話は刺激的な内容が含まれています。 望まない方は今すぐ後ろボタンを押してください。※
「伊藤和馬の視点」
和馬は学校が終わった後、放課後クラブ活動をし、クラブ活動が終わった彼は、市図書館に足を運んだ。
彼がこのように突然、普段あまり行くこともない市図書館に行く理由は、今日の昼休みに、良太から小林の母親の話を聞いた時、何か変な点を感じたからだった。和馬は道の上を歩きながら考えた。
「小林の母は、彼女の娘である小林美月が約5歳になった頃、亡くなった。 そして、小林美月は、自分の家族の話になれば、口をつぐみ、特に、お父さんの話になると、その傾向は強くなる。」
この二つには、何か相関関係があるに違いない、と和馬は考えていた。
しばらくして、歩きながら悩んでいた和馬は、市図書館の前に到着した。
彼は図書館に到着した後、司書に行き、20XX年度の新聞を閲覧できるかと尋ねた。
20XX年度は小林、良太、そして、彼が5歳の時の年である。
司書は明るく笑ってから、できますと言って少し待ってくださいと言った。
しばらくすると、司書は20XX年度の新聞を持ってきた。
新聞をもらいながら、和馬は司書に感謝の言葉を伝えた。 新聞を受け取った和馬は、本格的に図書館の机に座り、新聞を真剣に読み始めた。
新聞を読み始めると、彼が持ってきた新聞には、20XX年度の芸能人の不倫事件、OO市火災事件、自衛隊の国際派遣などの様々な記事が、新聞に載っていた。
そして、記事が掲載された新聞を30分ほど調べたところ、記事を読んでいる和馬の右目には、何かが入ってきた。彼は素早くそこに視線を移した。
視線を向けたところの文をざっと読んでみると、内容は大体、##県**市で家庭暴力罪で拘束された、ある男性に関する内容だった。 ##県**市は、確かに、今、彼が住んでいる地域の、すぐ隣の地域だった。
そして、良く見てみると、その記事の横には、四角いボックスに写真が一枚貼られていた。その写真には、ある険悪な印象の男性の顔が写っていた。
下に頭を少し下げてみると、写真の下には写真本人の名前が書かれていた。その写真の名前を見てから、しばらくして、和馬は目を大きく開けた。 なぜなら、その記事の拘束された男の名前が「小林正夫」と書かれていたからだ。
和馬は驚いた表情を隠せず、内容をもっと詳しく調べた。
内容は次のとおりである。
小林正夫(31歳)が20XX年@@月$日、家庭暴力罪と強姦の疑いで、警察に拘束され、裁判に渡されたという。
だが、証拠不十分と、被害者の死因の直接的な原因ではないという理由で、彼は懲役刑は免れ、保釈金で釈放されたという内容だった。
そして、その下に続く記事は、この事件の軽い処罰を批判する内容だった。
和馬は記事を読み終えて、今までのことを頭の中で整理し始めた。
1. 小林美月と姓が同じであること。(こばやし まさお)
2. 私たち(私、良太、美月)が 5 歳だった 20XX 年にこの事件が起こり、そして、それとほぼ同じ時期の彼女の母親の死亡。
3. 小林美月が自分の両親について話すのを避けること。
これらすべてが同じ時期、似たような名前で偶然に起きることはできないだろう。つまり、これらのことはすべて関係しており、小林正夫は小林美月の父親であるということになる。
和馬はこれが分るや否や、すぐに良太に電話をした。
***
美月の自炊部屋。
良太が外に出た後、ドアの前をじっと見つめていた美月は、再びソファに歩いて行き、クッションを抱いてテレビを見始めた。
良太がいないから、不安だ。 悲しい。寂しい。 懐かしい。それらが今、彼女が感じている感情だった。
このように、ただぐったりしてテレビを見ていると、しばらくして、外から風が入ってくる音が聞こえ、玄関のドアが開く音が聞こえた。
でも、おかしい。 本来なら鍵が回る音が先に聞こえた後、ドアが開く音が聞こえ、ドアが開かなければならないのに、すぐにドアが開く音と共に、ドアが開かれた。
それに、もし、ドアを開けた人が良太だったら、ドアを開ける前に、トントンと先にノックしたはず。なぜなら、鍵は今、彼女が持っているからだった。彼女の自炊部屋は鍵がないと入れない。
美月は不安な気持ちで、視線をテレビからドアの方に移した。そうすると。
ドアを開けて、ある男性が入ってくるのが見えた。みすぼらしい身なりに、一目で見ても、ホームレスの姿。そんな彼女の自炊部屋に入ってくるその男には、見知らぬ男の感じはあったが、決して見知らぬ男ではなかった。美月は彼のことをとてもよく知っていた。
なぜなら、これまで飽きるほど彼女を苦しめたし、また恨みそのものだったから。そうだ、今、彼女の家に入ってきたのは、他ならぬ、彼女の父親である「小林正夫」だった。 彼はまだギャンブルと、酒に夢中なのか、ぼんやりとした目をしていた。
美月は、部屋の中に入ってくる自分の父親を見て、驚いた表情を隠せなかった。そして同時に、彼女はどうやって、父親が自分の自炊部屋に入ることができたのかを、頭をしぼって、考え始めた。
しばらくすると、彼女の頭の中には一つの記憶がよみがえってきた。 その記憶は、まさに、良太が外に出た後、ドアが閉まろうとする時、ドアが閉まるガチャガチャという音が聞こえなかったという記憶だった。
確認のため、彼女はドアの下の床の周りを見回した。すると、床には、変なへこんだ白い紙のようなものが落ちていた。
まさか、良太が外に出てから、開いたドアが完全に閉まる直前に、あれをドアの間から挟んで、ドアが閉まるのを防いだのか。
そこまで、考えが到達した彼女は、信じられない事実に、自分の口を両手で塞いだ。
「いや、美月、久しぶりだね、私の娘。 元気だったかい?」
聞きたくない荒々しい声。
美月の自炊室に入ってきた小林正夫は、怯えた彼女に口元を上げて笑顔をしたまま話した。しかし、今、彼がしている笑顔は、決して見栄えの良い笑顔ではなく、むしろ、不快感を起こした。彼の笑顔は、幸せで微笑むのではなく、無理やり笑う笑みだったからだ。
「...........」
小林美月は、彼女の父親の言葉に、何も答えられなかった。
小林正夫はそっとドアを閉めた。すると、がたんと閉まるドア。 今、彼女の自炊部屋には、昔は家族だったその2人だけが残った。
「な..なんで来たの…」
美月はおびえた声で、自分の前に立っている彼女の父親に聞いた。
「もちろん、うちの娘に会いたくて来た。」
小林正夫は無理矢理、笑顔を作り、両腕を広げながら言った。自分をまるで身近に呼ぶような父親の態度に、美月はますます怒り始めた。
「……嘘!!」
美月は怒りを抑えることができず、怒った声で、自分の父親に叫んだ。
彼女はすべて知っていた。今、自分の目の前に立っている父親が、自分の母親を死なせた最大の要因だということを。もし彼がこの世にいなかったら、少なくとも彼がギャンブルをやめて正気に戻っていたら、自分が愛した母親はまだ生きていたかもしれない。
そして、あの時、彼が自分の母親にしたことをすべて見てしまったから。あの時の感情は、今までも全部覚えていた。
小林正夫はそんな自分の娘の叫びに、驚いたようだった。
しばらくすると、彼は靴も脱がずに、だんだん彼女に近づき始めた。それとともに、床には黒い足跡ができた。
「美月、お父さんに来い。」
美月は父親が近づくにつれて、首を左右に振りながらだんだん後ろに下がっていった。だんだん部屋の隅に追い詰められていく彼女。
彼女のお父さんは、止まることを知らずに、彼女にどんどん近づいてきた。そうして、後ろに下がっていた美月は瞬間的に、木の卓上に置いてある自分の携帯電話を見つけた。そして、ためらうことなく、その携帯電話に向かって手を伸ばした。
だが、携帯電話に伸びた彼女の手は、携帯電話まで届かず、その前で止まった。
美月は、背中がひんやりする気分を感じるとともに、頭を上げて上を見上げた。すると、上から自分を見下ろしている、彼女の父親が、恐ろしい顔で自分の手首を握っていた。
美月はあまりにも恐ろしい状況に、言葉を発することができなかった。彼女の瞳孔は、左右に揺れ動いた。
そして、美月の手首をつかんでいた小林正夫は、もう我慢できないのか、表情を歪めるとともに、無理矢理していた笑みをやめた。すると、瞳がほぐれて、口から腐った匂いがする、酒に酔ったおじさんの姿が見えた。
そして、小林正夫は理由を問わず、彼女に叫びながら、美月のお腹を拳で強く叩き始めた。彼女の父親はまるで、今まであったことを腹いせするかのように彼女を殴った。
圧倒的な力の差に、彼女は抵抗できなかった。 彼女が今できることは、ただ殴られることだけだった。
そのように、彼女は殴られ、殴られ、また殴られて、全身にあざができるまで殴られ続けた。そんな彼女の口からはうめき声さえ出なかった。
しばらくして、彼の暴行によって全身があざだらけになった美月は、気絶したように頭をそっと下げた。そして、バタバタと床に座り込んで倒れた。
「フウ、お父さんに会ったら、挨拶しろと何度もいったのに。」
「どうして逃げるんだ。はあ? お父さんが教育をそんなに風にさせたのか。 はあ?」
小林正夫は、倒れた美月を見て、息を巻きながら言った。(実は、彼はギャンブルにお金を使い果たしてしまったせいで、路上をあてもなくさまよっていたところ、偶然、ずいぶん前に別れた自分の娘と出会い、彼は彼女に少しお金を借りようとしたが、彼女の娘が自分から逃げる姿を見て、腹が立ってそんなことをしたのだった。)
「っ..私たちの...あか..ちゃんが.....」
床に倒れた美月は、辛うじて気を取り戻し、自分の赤ちゃんを確認するかのように、そっと突き出た自分のお腹を撫でた。しかし、お腹からは何の動きも感じられなかった。
これまで、少しずつ動きを感じるのが、彼女の小さな幸せだったが、いくらお腹を撫でても、ネズミが死んだかのように静かだった。そして、一つの希望であり、大切な命を失ったと思い、美月は悲しい涙を流した。
彼女に暴行して、息を巻いていた小林正夫は、床に倒れた自分の娘を眺めた。
すると、彼の目に見える女性的な、きれいな体つきをした自分の娘の姿が見えた。スカートの下に見える2つのきれいな白い脚と細い腰。そして、かなり大きく見える2つの胸。
彼はそれを見ると同時に、自分の中で我慢できない何かの欲望が、上がってくるのを感じた。
彼は、ゆっくりと、倒れた彼女に行き、彼女の体に顔を当てて、彼女の匂いを嗅ぎ始めた。
「うーん、いい匂いがするね。」
そして、彼女の父親は、美月の体を両手で触り始めた。柔らかい彼女の頬の肉から胸、お尻、太ももまで。
「ミヅキ、会っていない間に、すごく大きくなったんだ。」
彼は彼女の胸を触りながら言った。
「最近、クラブの女たちはまずかったがな、ちょうどよかった。」
彼女の父親は舌をならした。 そして、美月のスカートをつかんで下ろして、下衣を脱がせた後、自分のズボンも下ろし、最後まで脱いだ。
そして、外に飛び出た硬くなった自分のあれを、躊躇なく、彼女のあそこに入れた。それと同時に、美月は痛みに悲鳴を上げた。
「痛い...痛っ..痛い...痛い...」
彼女は両足でもがいた。 しかし、彼の父親が彼女の上に乗っていたため、動かなかった。 彼女の父親に襲われた美月は、小さな声でつぶやいた。
「良太…助けてえ………」
***
松本良太視点。
私は、和馬と会う約束したXXカフェに到着した後、自動ドアを通って、カフェの中に入った..
和馬はカフェに入ってきた、私を見つけたのか、私を見て、こっちに来いというように、手振りをした。私は彼の手振りに従って、彼が座っているところまで歩いた。
「思ったより早いね。」
和馬が席に座る私を見ながら言った。
「家に美月が待ってるから。とにかく、できるだけ早く終わらせてくれ。」
「じゃ、早速、本論に入るよ。」
和馬は両腕を上げ,新聞で見つけたことについて具体的に話し始めた。
小林の父親の名前と、彼が以前、強姦罪や暴行罪などの疑いで、警察に連行されたということ。
小林の母親は、(持病で亡くなったが、実は持病で亡くなったわけではなく) 夫によって死んだ可能性が高いとのこと。
そして、小林が今まで両親の話をしようとしなかったのは、おそらく、このような理由からだろうということなどを教えてくれた。
私は、親切に説明してくれるカズマの言葉を聞いて、心臓が止まりそうだった。
和馬の言うことが本当なら、今まで美月がなぜ自分の両親について、話そうとしなかったのかが理解できた。
そして突然、私の頭の中で数多くの情報が集まり広がることを繰り返し、一つの美月のイメージが作られ始めた。彼女の以前の行動の一つ一つが理解され始めた。
結局、彼女は可哀想な子供時代を生きた、一人の少女に過ぎなかったのだ。そして、周りの人たちは、ただ彼女の美しい外見だけを気にするだけで、誰も、彼女の心の傷を見てはくれなかっただろう。
そこまで、思いがたどり着いたころ。
今日、下校途中に見た、ある中年男性の姿が私の頭の中を過り、今、自分がとんでもないミスをしてしまったことに気づいた。
それは、私が家に、彼女を一人で置いてきたことだった。
和馬から聞いた、以前。彼女の父がやったことと、何よりも、その時に、見た彼の怒った表情を考えると、彼がすることは明らかだった。
「和馬ごめん。 私、今すぐ家に帰る。」
「え? 急に何を言ってるんだ。」
「後で払うから!」
思わず腹が立ってきた。そして私は、狂ったようにカフェを飛び出した。
私は、何も考えずに走り続け、ミヅキの自炊部屋に向かって走り続けた。走りすぎたせいで、自分の足に引っかかって、倒れそうになったことを繰り返した。
狂ったように走った私は、美月の家のすぐ前まで到着し、息をする暇もなく、早く階段を上った。 そして、204号の手前まで行った後、ドアノブを回してドアを開けた。
ドアを開けると、私の目の前には、私の頭の中をずっとぐるぐる回っていた、その男と、その男の下で倒れている美月の姿が見えた。その男はズボンを脱いで下半身を振っていた。
そして、彼の下に敷かれている美月は、髪の毛が顔を全部覆っていて、彼女もまた、下半身を全部脱いでいた。彼女は何の動きも見せなかった。
私は最初に、この光景を見た時、夢だと思った。
しかし、目を瞬き続けているにもかかわらず、その光景は、私の目の前から消えなかった。
これが現実であることを悟ると同時に、私の精神世界観は破壊され始めた。あまりにも驚いたせいで、声さえ出なかった。
怒り、虚脱感、罪悪感、悲しみ、虚無、殺人衝動の感情が私の全身を支配した。すべてを失った気分で、私はそのまま床に座り込んだ。
美月の上で彼女を襲っていた彼は、床に倒れた私を見て口を開いた。
「おお、はぁはぁ。 お前があの娘の(プチゅプチゅ)彼氏だったっけ。 今日のお昼に見た。(チュプチュプ)」
「うちの娘は、どうして、君みたいな平凡な子と付き合うのかは、分からないが…君も一緒にやるかい?」
私は、それを聞くと同時に、気が動転し、台所のまな板に、包丁が刺さっているのが目に入った。私は、急いで台所に行き,包丁を抜いては、そのまま男のところに走り始めた。
そして、私の彼女をおもちゃのように扱う彼女の父親に向かって、走りながら叫んだ。 「死ね!」と。
その男は、私が包丁を持って、走ってくるとは思わなかったのか、驚いた顔で走ってくる私を見た。
しばらくして、彼女の父親の前まで到着すると、私はためらうことなく、彼の首にナイフを差し込んだ。すると、その男の首から血が噴き出した。
そして、私は狂ったように、何度もその男の首にナイフを突き刺して抜くことを繰り返した。その度に、血は四方に飛び散っていった。
私の頭には、ひたすら、この男を殺さなければならないという考えしか浮かばなかった。 そうしてこそ、私が今感じたこの気持ちを、解消できると思った。
結局、包丁を刺し続けた結果、しばらくして、その男の首は引き裂かれた。
手を見ると、私の両手は、包丁の刃物によって切られていて、血がだらだら流れている。そして、そんな私は、ナイフで刺すのに疲れて、そのまま床に座り込んだ。
首を回して周囲を見回すと、部屋の床、天井は赤い血でいっぱいになっていた。まるで、その姿は赤い絵の具を塗ったかのようだった。
やっと気がついた私は、頭を下げて彼女を探すと、美月は下が脱がれた状態で、気絶していた。
私は、そんな彼女を見るや否や悲しみに溺れ、彼女を抱きかかえてた後、泣き出した。涙が絶えず流れ、止まりそうになかった。
そして、彼女との約束を破って、外に出たことを謝るように彼女に言った。
「ごめん、ごめん、本当に······ ごめん..くっ。美月、ごめんね。全部私が悪い。」
そうやって、気絶した彼女を抱きしめていた私は、彼女の父親を殺したという罪悪感と、
彼女を守れなかったという剥奪感、
両親に対する申し訳ない気持ち、
もう二度と、彼女と普通に過ごせないと思い、私は美月を強く抱いたまま、大きな声で泣き叫んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます