第3話

私たちは、彼女の家のすぐ前に到着した。


小林の部屋は、2階建ての建物の中央あたりにあった。


私たちは階段を上り、小林の自炊部屋のドアの前に立った。


204号。


彼女はかばんに手を入れて鍵を取り出し、その鍵を鍵穴に差し込んでドアを開けた。 私は小林の後を追ってゆっくりと彼女の部屋に入った。


入ってくると鼻を包むように近づいてくる女性の香り。 これが私が女性の部屋に入るという現実感を与えた。


部屋の中にどんどん入っていく小林は微笑んで、どうしたらいいかわからない私に、ゆっくり休むようにと言った。


"それでは、お邪魔します。"


と私は靴を脱ぎながら言い、小林が自分の部屋に入っている間、私は彼女の言うとおりにリラックスして、あたりを見回した。


辺りを見回すと、彼女の家は平凡な自炊部屋だった。 家は居間、台所、トイレそして部屋一つで構成された単純な構造、居間は台所と連結されており、居間に置かれているのはテレビ一つと、かなり大きいソファー一つ、背の低い木の机だ。


そうやって小林の自炊部屋を見物しながら、中に入っている途中、私は誰かの気配を感じた。


どうやらもう一人の居住者がいるようだ。 いや、一匹かな。


黒っぽい毛並みと大きな青い目。そう。それは黒い毛を持つ猫だった。


私はその猫を見るやいなや、ベルだと気づいた。 彼女と話しているとき、彼女が猫を飼うと言ったのを思い出した。


ソファの上で私を見ていたベルは、部屋に入ってきた私を見ると、姿勢を低くし、腰を上に上げて警戒した。


私は警戒しているベルに苦笑いを見せた。


そうやって私が猫に一目置かれていた頃、小林はすぐに自分の部屋から出てきた。


部屋から出てきた彼女は、普段着に変わっていた。 白地に黒猫が描かれた普段着だ。 猫が大好きらしい。 制服とは全く違う雰囲気が彼女から感じられた。


その服は、小林の体より大きすぎて太ももまで下がっていた。 目を下げて彼女の下半身を見ると、下には白い肌しか見えなかった。ズボンが短すぎて、まさか下に何も履いてないわけじゃないよね? という考えが短い間、私の頭の中を過った。


私は、そんなはずがないと首を横に振り、部屋の中央当たりに置いてあるソファに、身を委ねるように座った。


私がソファに座ると、ベルは急いで逃げながら小林の部屋に入って姿を消した。


私が座ったソファはかなり値段が高いのか、座るやいなや体の疲れが取れるような楽な感じがした。 危うく、そのままソファーに座って眠りにつくところだった。


ソファーのふわふわ感に驚いていると、部屋から出てきた小林は、ソファに座っている私に近づき、聞いた。


「ソファーが気に入ったみたいだね。」


「うん、一瞬ソファーで寝ちゃうところだった。 すごく座り心地がいい。"


「よかった。。。そのまま。。。のに。。」


小林は最後の言葉の先をつぶして、しばらく首を横に回した後、私には聞こえないような小さな声で宙にささやいた。 私はそんな彼女の姿に、首をかしげた。


先まで何かを呟いていた小林は、ソファーを過ぎて、ゆっくり歩いてきては、ソファに身を任せた私の前に立った。 彼女のきれいな紫の瞳は私の体のどこかを見つめ、彼女からは少し圧倒的な雰囲気がした。さっきとは少し違う雰囲気。


ソファーに席が残っているにもかかわらず、ソファに座らず立っている彼女を見て、私は不思議に思った。


私がどうして席に座らないの?と小林に聞こうとすると、彼女は腰を下げて私に顔を近づけてきた。


そして両手を合わせて、私の耳にささやくように言った。


「私がどうしてあなたを私の家に呼んだのか、考えてみた?」


彼女の甘い声に全身が熱くなり、妙なくすぐりを感じた。


「実はよく分からない。。。」


突然の彼女の行動と質問に、私は戸惑った表情で答えた。 小林が私を彼女の自炊部屋に招待した理由は、よくは分からなかったが、多分、私ともっと話がしたくて家に招待したのではないかと、私は今までそう考えていた。でも、急に彼女にそう言われると、分からなくなってきたのだった。もし、彼女は私と違っていたのだろうか。


私が何も答えられずに、しばらく悩んでいると、彼女は、私に体を寄せ、馬に乗る姿勢で、私の太ももに乗った。


彼女の柔らかい太ももが私の太ももに触れると、彼女からいい香りがして、しばらく気を失いそうになった。そして、彼女は口を開いた。


「実は、あなたが気に入ったの。」


小林は、そういって、何も言わずに彼女の手を私の胸の上に乗せて、顔を近づき、唇を当てた。


彼女の小さくて、柔らかい唇が私の唇に触れた。


そして、小林は口づけした口をそっと開けて、私の口に舌を入れてきた。 私は、いきなりの彼女のキスに目を丸くした。


彼女の暖かい息づかいとともに、彼女の舌と私の舌が触れ合い、リズムを合わせて動き出した。


彼女の舌はとても柔らかくて、頭が燃えるように熱くなり,だんだん理性を失っていくような気がした。


気を失おうとしていたその瞬間、私はかろうじて気を取りながら、小林の肩をつかみ、彼女を離した。


「はぁ、はぁ、ちょっと…理解できない。」


私は恥ずかしさを隠すために、首を横に回し、小林と目も合わせずに彼女に言った。


「うん…何が?好きな人とキスするのが理解できないの?」


彼女は少し首をかしげながら、不審そうな顔で、むしろ、これが当たり前のような口振りで、私に言った。


「私は...まだ好きだとは言ってない....。」


「....それで..私とキスするのが嫌なの..?」


小林は芳しい香りを漂わせ、むしろ泣きそうな顔で私に聞き返した。


彼女の涙がこもっている声に、私は横を向いた首を回して、目の前にいる小林の涙ぐましい表情を見ると、私の心が痛くなった。 私は自分が彼女を傷つけたのではないかという気持ちで、自分自身が憎くさえ感じられた。


「いや…そんなことじゃないよ。 ただ、状況が急すぎて···」


私は小林に謝るように言った。


「実は、あなたが私のことが好きだと思ったの..そして、私もあなたが気に入った。」


小林は両手の人差し指をくっつけて離すのを繰り返しながら、赤く燃え上がった顔で話した。


そう、彼女の言う通り、私は彼女が大好きだ。

率直に言って、小林から私のことを好きだと言われたとき、うれしい気持ちが胸の中でこみ上げてきて、心拍数が2倍は速くなったような気がした。

でも、なぜか、好きな人に急にこんなことをされると、色々と複雑な気分だった。もちろん、私は、このような状況が起こることを全く予想していなかったわけではなかったが、いくら考えても、彼女の今の行動は理解できなかった。もし、彼女は今まで、彼女に対して、男たちが皆優しく、そして拒否をすることはなかったから、そう思ったのだろうか。確かに、彼女は美女で、彼女はずっと、そのような人生を踏まえてきたのかもしれない。


「実は、そうだよ。 君の言う通り、私は君が大好きだ。 私は初めて君と会った時から君に惚れたし、今、この状況がとても嬉しいことだと思う。」


私は、太ももに座って、目が潤っている小林を泣かせないため、まず、彼女をなだめるように言った。彼女の泣く場面だけは見たくなかった。


小林は私の言うことを聞くと、突然、彼女の全身が少し震えた。


そして小林は、嬉しそうな表情をすると同時に、彼女の目から涙が溢れ出した。


"よかった....."


小林はそう言い、しばらくの間、彼女の腕でその流れる涙を拭いた。 彼女の腕は絶えず涙を拭いた。


しばらくすると、涙が止んだのか、彼女は涙を拭くのをやめ、また、私の顔を見た。


そして同時に、涙が止んだ小林の周辺の雰囲気と目つきが、急に変わったような感じがした。


彼女の顔を見ると、彼女の表情は今までとは違う獲物を見つけた猫のように変わっていた。


そんな小林は、私のあごを手でそっとつかんむと、また顔を近づけて、唇を合わせながらキスしてきた。


今度はさっきとは違って、彼女の舌の動きが激しかった。


そして、彼女はキスしながら、私に体を密着させ始めた。彼女の柔らかくて、とてもきれいな形をしている2つの胸が、私の体に触れた。


私たちは、そのまま、はぁはぁと息を切らしながら、キスをした。


時間が経てば経つほど、私とキスをしている彼女から、雌の香りがさらに強く感じられた。


彼女に占領されている私の唇と舌。


触れ合う彼女の柔らかくて暖かい体。


そして、それに反応する私の下半身。


だんだん気が朦朧としてきた。 私の男としての本性が理性を蚕食していった。 彼女の女性の香りと肉感は私が合理的に判断することを難しくした。


小林の続く誘惑に結局、私は、たえるごとができず、理性を失ってしまった。


何があっても、彼女を私の女にするという考えだけが私の頭の中を占めた。


理性を失った私は、私にキスしてくる小林の体を上げ、彼女をソファーの上に倒した。私たちは暫くの間、赤く染まった、お互いの顔を見つめ合った。私の下で倒れている、彼女はとても愛おしくて、その光景は、さらに、私の男としての本能を誘発した。そして、私はもう我慢できず、私のすぐ前で倒れている、彼女の耳と首を愛撫し始めた。


小林は、私の愛撫にうめき声を上げ始めた。 彼女の体は私が愛撫をするたびに、少しずつ震えながらビクッとした。そんな彼女の顔は幸せな表情をしていた。まるで自分の夢を叶えたかのように。


彼女の奇妙なうめき声は、理性を失った私をさらに刺激した。


愛撫をしていた私は、彼女の猫が描かれた白い服を上に上げて、胸をむき出しにした後、彼女の乳首を舌で刺激した。 そしてゆっくり下に行った。


ソファーに横になったまま、私に愛撫されている小林の体は、ぶる震えていた。


時間が経つにつれて濃くなり、強烈になる彼女の体臭は私をさらに興奮させた。


私は結局、最後までかろうじて保っていた理性を全部失い、そのままズボンを脱いだ。


そして、私と彼女はお互いを望むように激しくセックスし始めた。


私は、いつの間にか、本能に狂ってしまったオオカミになっていた。


私は一度では足りなかったのか、彼女の水が乾くほど打ち込んだ。


私と彼女はその晩中セックスをした。



***



私が目を覚ましたときは、午前6時を少し回ったところだった。 私は目をこすって横になった体を起こした。


起き上がった私は小林の部屋のベッドの上にいた。


突然理解できない状況に、私はいち早く今の状況を把握しようとした。 しかし、起きたばかりなのか頭がよく回らず、昨日何があったのかもほとんど覚えていなかった。


頭に手を当てながら、首を左に回してみると、私のそばには、小林美月がまだすやすや息をしながら寝ていた。 彼女は寝ている姿さえ美しかった。


寝ている彼女を見ていると、私はやっと昨日あったことを思い出した。


私は昨日、小林の誘惑についに耐えられず、彼女と熱い夜を過ごしてしまったのだ。


甚だしくは昨日は、理性を失ってコンドームをつけなかったことも思い出した。 私は顔を手で包み込み、これが嘘であることを望んだ。 私の人生16年の中で最大の危機だった。


小林は私が出した気配のせいか、半開きの目をこすってベットから体を起こした。 そして小林は甘い声で私に言った。


「おはよう、私のダーリン。」


昨夜を思わせるように、彼女はまだ裸だった。 それを見ると同時に、私の体も反応した。


小林もそれにようやく気づいたらしく、顔を赤くしながら布団で身を隠した。


私は一応、携帯電話を確認した。確認すると、 まだ両親から電話はかかっていなかった。 私は安堵の息を吐きながら安心した。まだ時間がある。


我が家は普通、午前7時に家族が集まって朝食をとった。


つまり、その前に家に帰ったら、ばれず終わらせることができる。


考え込んで携帯電話を見ている私に、小林美月は突然、聞いてきた。


「私たち今日から付き合うの?」


彼女の話し方や雰囲気から、私は圧倒された。


少し泣きべそをかいて聞く彼女の言葉に、私は彼女の言葉を拒否することはできなかった。 その上、昨日自分が彼女にした行動の責任は負わなければならなかった。


「も..もちろん、何が起ころうとも責任は取るよ。」


私はベッドの上に座っている小林に、心を込めて言った。


小林は、私の言葉に喜んで、私の背中を抱きしめた。 彼女の裸が私の体と触れ合った。


そして、彼女は何度も恥ずかしい音がするように私の頬にキスをした。


早く家に帰らなければならなかった私は、しばらく頬にキスをしている小林をベッドに座らせ、居間の床に投げ込まれた私の服を早く着替え始めた。


そして、私を見て明るく笑いながら手を振る小林に挨拶して、ドアを開き、急いで家に帰った。


それ以来、彼女と私の交際は始まることになったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る