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イチローさんとオルトと定食屋にいる。
すっかり常連になった定食屋。
たくさんあるメニューもほぼ制覇したかもしれない。
今日はあとから店に入ったら店主にあそこだよとイチローさんとオルトがいる席を教えてもらった。
まあそんな広い店じゃないからすぐわかるんだけどそれは店主のサービスの一部でもある気がする。
ありがとうございまーすと言って席に着いた。
ちょっと飲みたい気分だったので瓶ビールを頼む。
それから今日はメンチカツ定食にした。
付け合わせのポテトサラダがおいしいのだ。
ひとしきり今度決まったコンサートの話で盛り上がる。
ちょっと間があいてまた青田の話をした。
「名波さんが会社を辞めたってこの間話したじゃないですか。」
「びっくりしたねそれ。」とイチローさん。
「そう突然だったから。」
「何かあったんですか?」とオルト。
「青田の落ち込み様が尋常じゃないんです。」
「はー、そうですかあ。かなり入れ込んでいるみたいだったから」とイチローさん。
「なるほどー。突然の卒業みたいなものですね。」とオルト。
「そうだよ。昔推しの卒業で泣き崩れたやつを見たことがあるよ。そのたぐいだね。」とイチローさん。
「それで、なんとかしてあげられないかなあと思ってるんです。」
そうかあといって腕組みをするイチローさん。
オルトも考えている。
「新しい推しが見つかるといいんだけどね。」とイチローさん。
「そうなんですけど、どこかに居ますか?」
「公演とか誘ってみたら?」
「いやあ、アイドルには興味しめさないんですよ。」
「そうかあ、まあ名波さんはアイドルというよりは夜の商売の方が似合ってそうだったからなあ。」
名波さんが聞いたら怒りそうだけど、まあ確かに。
「じゃあそっち系のお店に連れてくとか。」とオルト。
「僕たちじゃ無理でしょう。知らないし。」
待てよ館山さんだった行けるかもしれない。
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