第28話 休日山に登って気晴らしして平日に落ち込む無限ループ

筑波山に登った翌週も、また百名山の攻略に映った。

当時僕が懇意にしていた大阪の整体師の知人宅に往訪して、

整体を受けるかたわら、滋賀にある百名山の伊吹山に登るというプランだった。


大阪のだんじり祭りを見た後に滋賀の伊吹山に向かうというハードスケジュール。


伊吹山も1日あれば登りきれるという情報を得ていたので

果たして1日で山頂まで向かったが、この日は日曜日。

次は月曜日なのであまりのんびりしている余裕がない。


少しでも月曜日に楽になれるよう、早く帰ろうと思い

バスの時間まで余裕がないとダッシュで下山した。


なんとか日曜日中に家に帰れたが、

下山ダッシュが祟ってあまりにも疲れてしまっていた。


…その翌日僕は熱を出してしまい、会社を休むことになってしまった。


日曜日の登山中に熱を出すような気配なんてなかったのに

なぜ翌日月曜日になって急に風邪ひいて熱出したのか??


その理由を考えると、「病は疲労から」という理屈から言うと

急激な疲労が病を引き起こしたといえる。


つまり下山ダッシュが普段以上の負荷をかけすぎて

身体がついていけなかった、そういうこと。


月曜日に間に合うようにダッシュで山降りたのに、

その月曜日に出社ができない状態に追い込まれるとは。


だが、平日で絶望する日が1日でも削れたのは

ある意味では幸せだったのかもしれない。


なにしろ土日に浮かれて、また月曜日に戻ると。

また死んだように一日を過ごす平日に逆戻り、だからだ。


この躁鬱感に違和感を感じているが、どうすればいいかもわからず。

土日の山行時に見た綺麗な景色を忘れさせるほど

会社は閉塞された空間で、毎日同じようなコミュニケーション。


Botが話しているかのように毎朝同じような朝礼をやる。

これが非常につまらなさを加速させるが

かといって自分の仕事に負荷がかかるような真似もしたくない。


それが会社へのヘイトを加速させていく。


会社を早く辞め、好きなことに時間を費やせるようにしたい、

したいのだけどそれがなかなかできないジレンマを持ちながら。


次のステップに行くにあとどれだけ待たねばならんのかと。


しかしてそれを言ってもどうにもならないのはわかっているので

「土日になれば変わるさ」と思い、押し殺して業務に励む。


本当は何をすれば良いのかわかっているはずだけど

山に登るばかりでなかなか本題に入らない。


平日心を殺しては休日山登りして気晴らしする

無限ループにハマってしまっていた。


この沼からどうすれば抜け出せるのか?その答えが見出せぬままー。

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