第2話 「やりたい仕事」と「できる仕事」
うーん、なんで山登り行こうとかって言い出したんだっけ?
あ、そうだ、思い出した。
あの100万円近くする、バカ高い資格を取ろうとして失敗したからだった。
当時「僕」は都心のとある中小企業レベルのIT企業で、
しがないサラリーマンとして働いていた。
学生時代、あれこれ夢を語るのはいいが、社会に入って大体挫折する。
希望とは違う仕事を押し付けられたり、
あるいは一緒に働きたいと思わない同僚や上司を叩きつけられたり。
「僕」も昔はそんな夢を追いかけていて
挫折してしまった若者の一人だった。
「夢」って言えば聞こえは良いが、
現実を見てみると、ちゃんとした生活をするためには
「やりたい仕事」じゃなくて「できる仕事」「得意な仕事」
これらを選ばないと社会で生き残ることはできない。
「僕」はIT業界で働くにおいて
自分の居場所を確保するために
「資格が取れるサラリーマン」であることをアピールしようとしていた。
実際、幾つか資格は取ってきて、会社の人間に自分の実力を誇示していた。
いくつ取ってきただろうか?
どれくらい資格チャレンジしただろう??
また、どれくらい資格の本を買ってきただろうか??
給料もらうたびに資格の本を買って
チャレンジしていたのを思い出す。
と言ってさすがにずっと同じITの仕事をやっているほど悠長でない。
だから、一応野心として「今の会社を辞めて別の道を行く」
ということは心の底ではあるが秘めていた。
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