エピソード45 部署のみんな

本部へ向かう道中…


「本当によかったの?きっとつまらないと思うけど…」


「いいの!お母さんの仕事みたいな!」


「ミファーがいいって言うならいいんだよ。ほら、着いたぞ…」


三人は本部へとたどり着いた。


「わぁ…おっきい!」


「この国の凄腕エージェントがいっぱい集まってできた組織なんだよー。詳しいことはわかんないけど。」


いつも通りギャリーが出てくる。

監視カメラでも見ているのだろうか?


まだ人が怖いようで、ミファーは二人の後ろに隠れる。


「サヤ結婚式ありが…って…その子は…?」


「この子はミファーっていって…今私たちが預かってる子なの。将来的に家族になるかもしれないから、優しくしてね!」


「二人の子供同然ってこと…!?そりゃあ祝福しないとだ!」


ゆっくりミファーに近づいて…


「こんにちは。私はギャリーだよ。サヤのこと好き?」


「うん…好き!」


ニコッと笑い…


「私も大好きなの!…ミファーちゃんって呼んでもいいかな?」


「…うん!お母さん好き!」


無事、ギャリーを受け入れてくれたようだ。


「ギャリーって子供に話しかけるのうまいんだな…尊敬する。」


「あーら、初めてまともなこと言ったんじゃない?レド!」


「そう食ってかかるなよ…ほら、ミファー行くぞ。」


「うん、レドさん!」


レドさん呼びに、ギャリーは笑う。


「ぷっ…あんただけ距離置かれてやんの!」


「いいか、ミファー。ギャリーとあんまり話すなよ。」


「ちょっ…ふざけんなこの野郎!サヤだけでなく、ミファーちゃんまで奪う気か!?」


「レドさん、お母さんのこと盗ったの?悪いこと?」


なにやら、ミファーが勘違いしている様だ。


「いや、結婚しただけだよ…ギャリーはサヤの熱烈なファンなんだ。」


「ギャリーさん、わがままだね。」


ミファーの純粋な言葉が、ギャリーの心に突き刺さる。


「ぐふっ…今日はこのくらいに…」


四人は本部へと入っていった…


「サヤ、おはよー!て、その子は?」


「この子はミファー、今私たちが預かってる子なの!かわいいでしょ!」


「よっ、ミファーちゃん!おじさんサヤとレドのキューピッドなんだぜー。」


「きゅーぴっどってなぁに?」


ミファーがいらないことを覚えそうなので、サヤが阻止する。


「いらんこと教えなくていいから。ほら、仕事するよ。」


「わーお母さんになってる。嬉しいわぁ。」


「???」


困惑しながらもミファーたちは部署へと向かった。


「みんなおはようー!ちょっと紹介したいんだけどいい?」


「なになにどうしたー。結婚式の話?」


「俺たちの子供についてだ。」


少し語弊のある言い方に、部署の全員がコーヒーを吹き出す。


「違う違う!できたとかじゃなくて…今うちに来てる子がいて、その子を紹介したいだけ!」


その言葉に、部署の全員がホッとする。


「今俺たちと一緒に住んでる子供を連れてきたんだ。ミファーだ。みんな優しくしてやってくれ。」


「ミファーちゃんよろしくね。おじさんたち強面だけど心は天使だよー。」


「どす黒いやろがい。」


部署にどっと笑いが溢れる。


「うふふ…面白い…」


「いつもこんな感じなの。大丈夫かな?」


「うん!楽しい!」


ミファーは、笑顔でそう言った。

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