エピソード41 世界一幸せな二人

「後は招待状送るだけ…か。ちょっと疲れたな…大丈夫か?」


「大丈夫だよ!私たちの結婚式って考えるとわくわくしちゃって…」


笑顔で話すサヤにレドは微笑む。


「サヤのドレス姿…早く見たいよ。」


そして招待状を部署のみんな、ミヒャエル、レドの家族、ギャリーに送った…


「え?マジで結婚式やるん?行こ行こ!」


「俺の女神がぁぁぁあ!」


「あいつ…!サヤのドレス姿先に見たんだったら許さん!」


「兄ちゃん嬉しいよ…立派になったな…グスン…」




それぞれに招待状が届き、ついに結婚式当日…


「あー…緊張する。」


新郎のレドが先に歩き、サヤを待つ…


「ドレス姿のサヤちゃんどんな感じかなぁ?」


「楽しみだわ!あー早く来て!」


扉から声が聞こえてくる…


「ちょっとサヤさん!綺麗すぎるわよ!レド死んじゃうわ。」


「大げさですよ!ちょっと目がやられるだけです。」


二人の声が、式場に笑いを呼ぶ。


「母さん…やってくれたな…」


「さ、入るわよ!」


扉が開き、いよいよ新婦入場だ。


「どうかな…似合ってる?」


思わず皆が、ぽかーんと口を開いた。

まさに女神としか言いようがないサヤがたっていたから。


花の形のシュシュを付け、真っ白な花がいくつもついたきらびやかなドレス、そして凛と顔を上げたサヤの姿があった。


サヤはレドの母と共にレドの元へと歩いていく…


「母さん、ありがとう。ここからは俺がエスコートする…」


「サヤさんを大切にするのよ…!」


「レド…似合ってるかな?」


「ああ、もちろんだ。世界で一番綺麗だぞ…」


サヤも、レドの姿に見惚れていた。


「ありがとう…レドもかっこいいよ…」


「双方、一生添い遂げる覚悟はあるか?」


「はい!」


「では、誓いのキスを…」


レドはサヤの後頭部に手を回し…


「……愛してる…」


「私もだよ…」


二人は誓いのキスをした。


式場からは歓声と悲鳴があがる。


「俺の女神…尊い…!」


「……サヤ…綺麗だぞ…」


数名泣いている者(別の意味で)もいたが、無事やることは終えられた…


その後、皆で話したりする時間になり…


「サヤ…綺麗…」


レドがほぼ泣いているので、それをなだめる部署の仲間たちの姿や、ミヒャエルが号泣しているのでサヤが必死に励ます姿が見られた…


「お兄ちゃんいい加減泣き止んでよぉ!こっちも泣きそうだもん!」


「だっでぇ…兄ちゃん…サヤの巣立ちが早すぎでえ…」


「お兄ちゃん、お酒入りすぎだよぉ…」


兄妹水入らずの一時を楽しんだ。


「俺たちの女神、頼んだからな!」


「当たり前だ。付き合う時から覚悟はしてたからな。」


「ぜっっったい幸せにするのよ!?じゃないとコロス。」


「物騒な奴は置いといて…一杯やろう。」


「てめぇ…」


レドとギャリーが揉めているのを見て皆が笑った。


世界一幸せな結婚式をあげられた二人は、世界一幸せな夫婦になった。


「私、幸せだよ…レド…」


「俺もだよ…」


式も終盤に差し掛かり、もうすぐお開きというところでサヤが切り出す。


「私…欲しいものがあってさ…」


「なんだ?教えてくれ。」


果たしてサヤが欲しいものとは…?

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