エピソード38 上裸

「ひゃぁぁあ…レド…なんで…上着てないの!?」


「いや、すまん。寝間着取るの忘れてたからさ…」


「はえ…そ、そっか。ごめん…」


心臓の音がうるさくて他の音が聞こえなくなる。


(びっくりした…まさか今するなんて…って思っちゃった…私すけべだな…)


しかし実際レドは…


(婚約したし…今日はしたい…やばい…すること以外考えられん…!俺おかしいな…)


レドも、同様に悶々としていた…

お互いが少しびくびくしている中、夕飯の時間になった。


「レド…夕飯…」


「あ、ああ…わかった。ありがとう。」


気まずい感じで、夕飯が始まる…


「テレビつけるね…」


テレビつけると、ちょうどドラマのキスシーンが放送されていて、二人は夕飯を吹き出しかける。


「ちょっチャンネル変える!」


(なんでこんなときに限って!やめてよもう…!)


「その…こんなときに言うのもあれなんだが…今日…するか…?」


意を決して、サヤに尋ねた。

驚いたが、サヤも…


「…一つだけ聞きたいことがあって!夫婦になったらさ…ま…毎日するのかな…?」


恥ずかしそうに、そう尋ねた。冷静に少し考えてから、レドは答える。


「…そうでもないんじゃないか?俺たち、仕事柄毎日ってのは難しいと思うし…」


「あ…そう…だよね!ごめん、ずっと一人で考えこんじゃって…恥ずかしいな…」


「サヤが望むなら、毎日でもいいが?」


「無理無理!私が持たない!」


サヤの言葉に、レドは笑った。

そして、もう一度尋ねる。


「それで…今日は…?」


「言わなくてもわかるでしょ!好きなんだからする!」


ムッとした顔で言うサヤが愛しくて…


「待って…すまん…抑えられん…!」


「ひゃぁあ!?」


押し倒し、そのままキスをする。


「まっ…」


「今だけは待てない…!」


そのまま、二人の夜を迎えたのだった…




翌朝…


「んぅ…朝か…レド起きて。仕事だよ。」


レドは寝たままだ…


「夫婦なんだし…キスで起こしても…」


そっと顔を近づける…と…


「ああ…起きるよ…ありがとう。」


「わぁ!?……何もしようとしてないから!おはよう!」


レドは寝ぼけていてわかっていなかったが、サヤは恥ずかしくてたまらなかった…


本部へと向かう道中。


「私たちが結婚したこと…言うの…?」


「そう…だな…どっちでもいいぞ。でも…なにかあったときのために言った方が…」


「いいよね…うん、言おうか。」


二人は部署の仲間に伝えることにした。


「おはようございますー。」


「サヤちゃん、おはよー!」


「その…ちゃんづけなんなのさ!恥ずかしいよ!」


照れるからやめてほしいサヤ。だが、やめる気配はない。


「サヤちゃんはサヤちゃんなの!んで、レドもなんか言いたそうだけど。」


「その…急に決まったんだが…俺たち結婚することになったんだ。」


その発言に全員が飲み物を吹き出す。


「え?え?早すぎない?俺の女神人妻になったんだが…」


「レド!あんたどんな風にプロポーズしたの?教えなさいよ。」


「再現する?」


「頼む、やめてくれ。」


仲間たちに絡まれまくるレドであった…

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