エピソード31 銀行強盗
「薬をまく可能性があるので我々が応援を要請される形となったが…くれぐれも気を付けたまえ。相手は銃と薬物兵器を持っている可能性があるからな。」
「目的はなんなのでしょうか?金にしてはずいぶんとやりすぎな気が…」
犯人の目的を考察する。
確かに、ただの強盗にしては大がかりすぎるのだ。
「おそらく裏社会での名声だろう。ここまで派手にやるやつはそういない…」
二人は準備を終え、車に乗り込む。
「では、無事に帰ってきなさい。」
「了解、ボス。」
二人は急いで銀行へと向かった…銀行へと着くと、すぐさま叫び声と悲鳴が聞こえてくる。
「てめぇらよく聞けよ!?お前らの命は俺が握っている!なにか気にくわない行動したらすぐに撃ち殺してやるからな!」
犯人はかなり興奮状態のようで、声を荒げている。
「見つからないように入った方がよさそうだね…」
「よし、今だ。」
注意深く犯人を観察し、一瞬の隙をつき中に入る。無線で仲間に、
「中に入った。これから一般人を救出する。」
と伝え、二人は一般人の避難を最優先に行動する。すると…
「怖いよぉ!!ママぁ!」
子供が叫び声をあげてしまった。それに犯人は激昂し…
「うるせぇガキだなぁ!?目玉無くなってもいいのかぁ?つーか早く金詰めろごらぁ!!」
といい、子供に銃を向けた。だが、それは間違いだった。二人はこちらに背を向けた一瞬で犯人へと近づき、拘束した。
「動くな。骨が折れるぞ。」
「くそっ!動けねぇ!!こうなったら…」
そういい、薬物を取り出す。しかし、それもサヤが阻止しようとしたが…
「うぐっ!」
犯人への注入は阻止できたものの、サヤに薬物がささりサヤの体へと注入された。
「はっ!!お前死んだなぁ!それは裏社会の一級品だぜぇ?自我を失いそこら中を破壊しつくすだろうなぁ!」
しかし、サヤにはなにも起こらない。男は焦る。
「はぁ!?なんでなにも…ぐ…」
レドが首を圧迫し、気絶させた。
「サヤ!大丈夫か!?」
男を拘束しながらレドが訪ねる。
「うん…なんか身体中をなにかが這い回ってるような…感覚がする…」
「でもこの男の感じからするに即効性があるものだよな…?なんでなにも起こらないんだ…?」
疑問が残りながらも、男は刑務所に送られて二人は本部へと戻りサヤは検査することになった。採血など複数の検査を受けた結果。異常がみられた。
「前に君が幽霊船から帰還した時に検査した結果と異なる形となった…回復細胞が異常に増えているとか…この前の事件でなにかされたのかね…?」
二人は黙りこむ。サヤがウイルスを制御し使えるようになったことは話していない。
「実は…あの事件の犯人のコウヘイとかいう奴に薬を入れられて…それから傷が治るようになりました…回復するだけなので報告しなくても大丈夫かと…」
サヤは嘘をついた。続けてレドも…
「今回の件ではっきりした気がするんだが、サヤはどんなウイルスにも適合しうる身体なのではと…」
「うーむ…その可能性が非常に高い。なぜかはわからないがな…とりあえず二人とも、よく勇敢に立ち向かってくれた。任務ご苦労であった。」
そして、二人は家に帰された。ソファーに座り、安堵のため息をつく。
「やっぱり…いつまでも隠しとおすことはできなさそう…」
「ああ…素直に報告した方が…とも思ったが隔離されることは間違いないからな…」
その日はもう気にしないことにして、家に帰った。
寝不足なので、お風呂に入った後、ベッドの上に行く。
すると…サヤが話し出す。
「ねぇレド?私ってなんなんだろう…」
「もう人間…じゃないのかもな…ウイルスを制御し、使えることが世に知れたらきっと恐れられる。兵器として使われる可能性だってゼロじゃない…でも、大丈夫だ。俺がいる。」
二人は固く抱きしめあい、眠りについた…
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