エピソード29 嬉し泣き

何度目だろうか。会社に遅刻しかけたのは…


「遅刻の常習犯になりかけだな。」


「そうだね…次からは時間にも気を配らないと…」


二人は忙しいため、あまりゆったり二人で過ごす時間がない。なのでいつもちょっとイチャつくと時間がおしてしまうのだ。


「おえ…サヤぁあ助けて…サヤ吸いさせて…」


サヤとレドが付き合っているのが相当ショックだったそうで、心なしかげっそりしている。


「俺の女性なんでな。悪いが控えてくれ。」


「あんたにはきいてないっつーの!サヤぁ…なんでこんなやつと付き合ったの…」


「もー前にも言ったでしょ!全部だって!」


「まだやってないでしょ…?」


ギャリーが尋ねると…


「……………」


二人は黙る。それでギャリーも察して…


「おい、てめぇ!うちの女神になにしてくれてんだ!」


「恋人なんだからいつかはするだろ…」


ブーブー言いながら三人は会社に入った。

すると、部署に行ったとき…


「よっ!!おめでとさん!!」


みんなから拍手が贈られる。


「え?え?なんの拍手!?」


二人はびっくりする。


「なーに言ってんの!二人のだよ。おめでたいからな。」


「え…嬉しい…」


そういい、サヤは泣き出してしまう。何日か前まで人間不信で、それからのこれだから仕方ない。


「そんな泣かなくてもいいんだぞ。ほら、顔上げろ。」


「はぁいぃ…」


仲間はサヤを見つめる。女神の涙を一目見ようと皆必死である。


「ちょっ!お前らは見るな!」


レドがサヤを隠す。


「ひゅー!いい溺愛っぷり!」


その一言で、皆が笑いだす。それにつられてサヤとレドも笑う。


「そういや、あのネクタイつけてんの?レドちゃん。」


「ちゃんはやめろよ…勿論、つけてるよ。大事にしてる。」


皆ざわざわし、レドを覗きだす。


「似合ってるねー!さっすが女神ことサヤちゃん!」


「女神はあれだけど…ありがとう。嬉しいよ。」


またも皆目がやられる。女神の眩しさとはこのことだ。

誰かが言った。


「二人ってデートいったの?」


そうなのだ。サヤとレドはまだデートに行っていない。同棲してるためあまり気にならなかったが…


「まだ行ってない…」


「明日…空いてるか?」


「うん。行こう!」


即決でデートの約束をする二人。よっぽどお互い惚れあってるんだなぁと皆が思う。



そしてその日の夜…


「デートっていってもどこに行くか?」


「映画とか…あとスイーツ食べたり?あとなんだろ…」


「スイーツ…サヤが食べるとこみたいな。」




「レドは食べないの?」


「俺は甘いの得意じゃないからな…サヤが美味そうにしてるればいい。」


駄目だとサヤが反対する。


「二人で楽しめるとこじゃなきゃ、やっ!」


うーんと二人は頭を悩ませる。二人はデートを楽しむことができるだろうか…

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