エピソード28 プレゼント

「いやいや、マジで溺愛してるって!ガード半端ないぜ?あいつ。」


サヤは少し恥ずかしそうに、


「確かにお互い初めてだったけど…て…あ…」


言って意味に気付き、顔が赤くなる。


「え!?初夜迎えちゃった感じぃ!?あいつ奥手だと思ってたけど結構ガツガツいくねぇ!」


「もう…やめて…忘れて…!」


必死に顔を隠すサヤに、


「そういうとこよ。サヤちゃん?あんまりそういうの人前で見せん方がいいよ。いつか悪い奴ひっかかるからきーつけな!」


そういい、サヤの背中をポンっと叩く。


「あんたって思ってたよりいいやつだね…」


「そういわれて光栄ですわ。それより…プレゼントよプレゼント!何贈りたい?」


「ネクタイとか…て渋いかなぁ…?」


「いやいや、いいんじゃないかな…俺だったら嬉しいし。」


そしてレドに似合いそうなネクタイを即買し、今日は解散ということにした。


「うまく渡しなさいね!」


「はは…なんかお姉ちゃんみたい…ありがとー!」


手を振って別れて、サヤはいよいよレドにプレゼントを渡す時になった…


「家に帰って…なんて言えばいいんだろ…これあげる…じゃそっけないよね…」


サヤは悩みに悩みぬいて、今日はプレゼントを隠して、明日渡すことにした。


「レド~ただいま~!」


「……うん…お帰り…」


なにかレドが拗ねてる様子なので、ソファーにいるレドに抱きついて


「どうしたの、なんかあったー?」


「うぐっ……」


かなり効いたようである。ちなみにこれは女たらしさんから教えて頂いた技です。


「いや…すまん…実はお前が他の男と出掛けてるの知っちゃって…」


「え!?なんで知ってるの!?あ…尾けてたの…?」


謝りながらレドはうなずく…


「もー!これじゃサプライズにならないでしょ!」


プンプン怒るサヤにレドが訪ねる。


「…待て…サプライズってなんだ?それは知らない…」


プンプンしながらサヤはプレゼントの箱を取り出す。


「これ!これ…を…一緒に選んでもらってたの…レドに…あげようと思って…」


驚きながらも、レドは箱を受けとる。


「これ…ネクタイか?」


「……ん…うん…」


レドは思わずサヤを抱きしめる。


「すまん…お前…可愛すぎる…」


「へ?…ん…」


二人はキスをした。そのまま押し倒し、


「大切にする……お前と一緒に……」


甘々なお二人である。二人はとても幸せだった…




翌日…


会社に行く準備中に…


「このネクタイ…つけてくれるか?」


「うん……いいよ…」


サヤは背伸びをしてレドの首に手を回し、ネクタイを着ける…

レドもサヤに合わせて少しだけ腰を落とす…


「……よし!できた!」


「ああ、ありがとう。」


…………しばらく二人きりの時間を過ごし…


「やばい遅刻するぞ!」


二人は急いで会社に向かうのであった。

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