エピソード27 のろけ

「なんでこんな男選んだわけ!?」


問い詰めるギャリーをサヤはなだめながら、


「レドはいっぱい私を守ってくれたの。人間不信だった私に優しくしてくれて…信じられた…私がウイルスに感染したってわかったときだって見捨てなかった…そんなとこに惹かれたのかな?」


「サヤは…俺の前で無邪気に笑ってくれて…それがとても愛おしく思えた…他にももっとあるけどな。」


二人がのろけているところに全員は思った。


(こりゃ応援するしかないわ…なんか眩しすぎる…)


そうして、それが少しずつ馴染んでいったある日…


「おい、女たらし!」


サヤが声をかける。


「んー?お呼びか、サヤ。」


「次の休みにその…私と出掛けろ!」


全員が振り向きそっちを見る。コーヒーを吹き出す者もいた。


「……これまた急だねぇ。そういうとこ好きよ。いいよ、買い物とか?」


「…うん。」


完全にデートの予約だ。レドがこの場にいたら卒倒していただろう。


そして休みの日になると…


「あ、レド。今日出かけるから。会社の人と会うだけだから、監視は大丈夫だよ。」


「あ、ああ…いってらっしゃい…」


なんとなく違和感があったレドは、こっそりあとをついていくことにした。

ショッピングモールで待ち合わせをしていたサヤに、レドは…


(誰だ?ギャリーだったら本人が家に来てるはず…男じゃないよな…?)


恐る恐る覗くと、そこには女たらしがサヤに話しかけている様子が目に入った。

倒れそうになるのを抑え、レドは覗き続ける。


「ごめんね、急に呼びつけて…」


「んーんーいいの。俺だって楽しいし。」


二人が買い物をするのを見て、レドは目に毒だと思い家に帰った。


「俺なんかしたっけ…?浮気…はするようなやつじゃないし…」


家で一人悶えるレドをよそに、サヤたちは買い物をする。


「おい、女たらし。ききたいことがあって今日呼び出したんだが…その…男の人って、彼女になに贈られたらうれしいと思う…?」


もじもじとするサヤに察して


「あーそういうことね!だから俺か。適任だもんねー!男はね、なに贈られても気持ちがこもってれば嬉しいもんだよ!それも溺愛してる彼女から贈られたらもう死ぬんじゃね?レド。」


「そんなに誇張しなくていいよ。」


そういうと、二人はレドへのプレゼントを選び始めた…

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