エピソード26 社内恋愛

会社へと到着した。すると待ち伏せしていたのかギャリーが突っ込んでくる。


「あーん本当無事で良かった!なにかされなかった!?」


「え?あ、あぁ大丈夫だったよ!……うん!」


ギャリーはなにか不信に思い、


「サヤ…なんかあった?顔真っ赤だけど。それとも横にいる奴になんかされた?だったらぶん殴るから。」


「なんでお前に殴られなきゃいけないんだよ…なんでもないよ。ほら、行くぞサヤ。」


「うん…わかった…」


(なーんかおかしいわね。これは匂うわ!ギャリーセンサー発動よ!)


その後三人は部署に行き、事務作業を始める。


「二人とも無事で本当に良かったよ!よくやったな!」


「うん、ありがとう!」


天使のような笑みを浮かべるサヤに仲間たち(ギャリー含む)の目はやられた。


「うぉー!天使!サヤ、俺と付き合ってよ!悪いようにはしないぜ?」


一人が突然サヤに告白。そいつは女たらしで、可愛い子を見つけてはすぐに告白するやつだった。


「ううん、無理。先約がいるから。」


「はぁ!?彼氏できたのか!?」


「う…うん。」


サヤは恥ずかしそうに頷く。

仲間たちは嘆き、ギャリーにいたっては息をしているか危ういレベルだ。


「私というものがありながらぁ!誰だそいつは!」


「そこまでにしとけ…サヤは言いたくないってよ。」


「言いたくないってほどじゃないけど…でも内緒!」


そして部署のみんな総出でサヤが誰と付き合っているかの捜索が始まった。


「よし、擬態完了!」


そのうちの一人、女たらしが机の下に隠れてサヤとその付き合っている奴の会話を聞こうとしていた。

はたから見ると、何してるのかわからないヤバい奴だが。


「あれ?誰もいない…?」


「サヤの彼氏が誰か捜索にでも行ったんじゃないか?」


レドは鼻で笑いながら言った。


「ここならバレないかな?」


「お、おい社内ではイチャイチャしないって言ったろ!」


「誰もいないんだからいいじゃないかよぅ…ほら、欲望に正直になって…」


(おいおいマジかよ!?付き合ってんのってレドだったのか!?皆に言わないとだな!いいスクープ撮れたぜ!)


そこで女たらしは擬態をやめて、


「証拠は押さえたぞ!二人とも!皆にバラすからなー!」


そういい、走り去っていった…

サヤは顔を赤くして…


「ごめん…私のせいでバレちゃったよ!どうしよう…」


「まぁ…悪いことじゃないし大丈夫だろ…」


二人は甘く考えていたが、それは間違いだった。

サヤが人間不信を克服した後、サヤの噂は本部中に広がっていたのだ。噂によると「女神の微笑みを見せる美女神がいるらしい。」とのこと。


これは本部中に広まり、女性陣からはおめでとうの声が。反対に男性陣とギャリーからは嘆きの声が聞こえるようになった…


変な形でバレてしまったが、二人はそれでもよかった。自分たちが愛し合っているということが認められたような気がして…

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