第二部完結

エピソード25 ホラー映画

二人がお風呂から出ると…


「いや、あの声本当におかし…アハ…」


サヤはまだ笑っていた。レドは恥ずかしそうに…


「もうやめてくれ…頼むから…」


「だって、おかしいんだもん。」


そういい、歩くサヤの首をレドがつっつく。


「ひゃあ!?」


サヤは大声を出してへにゃりと座り込む。その顔は真っ赤だった。

予想以上に色っぽい声を出されてレドも赤面する。


「す、すまん…そんなに驚くとは…でも声出るだろ?」


「うん…これ…刺激が強すぎるよー!やってごめんー!」


サヤは少し懲りたようだ。それにレドは満足そうに、


「だろ?フフッ…サヤも変な声だったな…」


二人は笑いながらソファーに座り込む。そろそろ寝ようかとレドがきりだすが、サヤがそれを拒む。


「私、ホラー映画みたい…レドと一緒に…」


そういい、レドの服をつまむ。

そうするサヤが愛しすぎて、レドはどうにかなりそうだった。


「ちょうどこの前、友達から押し付けられたやつがあるぞ。持ってくる。」


それは心霊系のやつで、かなり怖そうな映画だった。


「レドに友達いたんだ…」


そう言うサヤを、レドが小突く。


「友達ぐらいいるよ…三人ぐらいは…」


「三人…」


クスクスと笑うサヤをよそに、レドはDVDをテレビに入れる。

そして不気味な映像が映し出され始める…


「………私、心霊系の映画苦手…」


「サヤぐらい強くても怖いものあるんだな。」


「だって怪物なら倒せるけどお化けって物理効かないもん…」


そういうことかよとレドは心の中で笑う。



一時間ぐらいたっただろうか。サヤは何回も叫びながらレドにくっついては、


「やだ!怖いぃ!」


と嘆く。そんなサヤをレドがなだめながら映画を見ていると…

ホラー映画ならよくあることだが…ちょっとエッチなシーンが流れ始める…


「あ、こういうシーンあるんだ…」


そういい、その後沈黙が続く…二人はかなり気まずい状態になる…そんななか、サヤが一言…


「私たちもいつかは…することなんだよね…?」


サヤは顔を赤くしながらレドの方を見る… 

レドはというと、理性が壊れるのを抑えるのに必死だった。


「まぁ…そうだな…」


今すぐサヤを押し倒したい気持ちを抑え、エッチなシーンが過ぎ去るのを待つ。

そしてシーンが終わると、二人はホッとする。二人の心の距離はどんどん縮まっていき…


サヤがレドに声をかけ、サヤの方に目を向ける。


「どうし…」


サヤからレドにキスをした。レドはサヤを押し倒し、そのままキスを続ける…

レドはサヤの服に手をかける…


「え、ちょっと待っ…」


なにも言わせないと言わんばかりにキスをする。


「……いいか…?」


「ん…うん…」


この後の展開はご想像におまかせしよう。言うのは野暮ってものだろう…




翌日…


「わーわーわー!どうしよう!私たち…その…わぁあぁ!」


サヤが恥ずかしすぎてパニックになっている。

その声でレドが起き、サヤをなだめる。


「恋人なら、普通のことだ。お互い…初めてだったってだけで…」


レドも恥ずかしそうに言う。とりあえず、と仕事の準備をする二人。


「うぅ…こんな状態で会社なんか行ったら…おかしくなっちゃうよぉ…」


二人は少し距離をとりながら会社へ向かった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る