エピソード21 謎の男
「…よし…中に入ろう。」
「まて、俺が先に入る。」
サヤを止め、先に中に入る。
「……大丈夫そうだ。入っていいぞ。」
続いてサヤも中へと入る。するとスピーカーから声が流れ始めた…
「ごくろうごくろう…来てくれてありがとサヤちゃん!それと邪魔な奴…」
謎の男はため息をついた。
「僕がサヤちゃんの体を蝕んでいるウイルスを作ったのはもう知ってるよね?手紙に書いたし。でも…もし新しいウイルスを作ってたとしたら…?面白いことになるよねぇ!」
「!?」
「こんな短期間で新しいウイルスを!?それをどうするつもりだ!」
サヤは男を問い詰める。男は気だるそうに、
「んーそれは君たち次第だねー。君らが反抗するなら世界中に撒くことだってできるし…そしたら凄い被害になるだろうねぇ。でも、君らが言うことをきくなら…何しようかなー。サヤにこのウイルスを投与するとか?君は実に興味深い身体をしてるからね。」
「ふざけるのも大概にしろ!サヤはお前の実験台じゃない!」
レドは激怒する。
「レド、落ち着いて。奴の思惑にはまっちゃだめ。私たちの精神を揺さぶるつもりだよ。………要求はなに?なにが目的?」
サヤは冷静に男へきく。
「ふふ…冷静だねぇ。そういうとこ好きよサヤちゃん…!要求はねぇ…サヤちゃん。君なんだなぁ。君の身体は実に希有なんだよ。だからこそ欲しい。手中に納めたい。単純に僕がサヤちゃんのこと好きっていうのもあるけどね。」
「その要求は飲めない。お前なんかにサヤは渡さない!」
「うるさいんだよ。君さぁ…僕はサヤちゃんにきいてんの!とりあえず、君らのポテンシャルを確かめさせてもらうよ。」
そういうと、倉庫の扉が開きなにかがむかってくる。
右腕が扇形に刃物化し、もう片方の腕は盾のように変異した化け物が入ってくる。
「力を見極めるってか?上等だ。サヤ、気を付けろ。」
「君らならすぐに倒せちゃうだろうから、スモーク焚くね?」
そういうと、倉庫の中に煙が充満する。
「!? 視認できない…どこに行った…!?」
異様な静けさが二人を包むなか、足音がする。
二人はそちらに銃を向ける。その一瞬の隙をつき…
「騙されたねぇ。君たち。」
そういい、男は二人に注射で睡眠薬を注入した。
視界が揺れ、二人は倒れる。
「よし、確保成功。サヤちゃんは僕が運ぶからそっちの頼むわ。」
男は化け物に指示をだすと、サヤをつれてその場を去っていった…
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