エピソード20 緊急任務

二人が本部へ到着すると、一本の電話がかかってくる。


「………なんだって!?わかった…今すぐ向かう。」


「なにがあったの?」


「サヤの体を蝕んでいるウイルスの開発者が本部へと手紙を送ってきたらしい…要求はサヤと俺が指定の場所に来ること…ただし応援は無し…だそうだ。」


(明らかにウイルスに適合したサヤを狙っていることはわかった。ただなぜ俺まで…?俺は生き残りにすぎない…それならラグナやクライアにも送られているはず…妙だな…)


レドはおかしな胸騒ぎがしたが、それを無視した。後にこの判断が、二人の運命を…いや、世界の運命を揺るがすことになるとも知らずに…


「……そうか、そんなことが…明らかに罠だよね。でも相手が相手なだけに下手な手をうてない…」


「わからない…とりあえずオルガナに話そう。話はそれからだ。」


二人はオルガナにこのことを話すと…


「……なるほど。そんなことが…」


オルガナはしばらく考え続けた後、


「悪いが、二人だけで向かってくれ。本当に申し訳ないが…組織全体を危機に晒すわけにはいかないんだ。ただ、なにかあったらすぐに電話を繋げ。君たちも大事な私の部下なんだからな。」


「わかりました。」



二人は仕事着に着替え、武器を持ち車で指定された場所へ向かう。そこは…


「雪山…?の中の倉庫の写真かな?これは。」


「ああ、そいつの手紙によるとそうらしい…油断は禁物だな。」


数時間かけ、二人は雪山の倉庫へとたどり着いた…

レドはすぐさま出ようとしたが、サヤが止める。


「こんなときにって思うかもしれないけど…私たちの仕事を忘れちゃいけない。死ぬかもしれない…ということを。その…だから…キスしよ…?」


もじもじしながらサヤは言った


「!! そうだな…もしする前に死んだら損するもんな。ほら…こっちこい…」


二人は車でたっぷりイチャイチャしてから倉庫へと向かった。なにしてるのかと思うかもしれないが、二人にとっては世界よりも大事なことなのだ。お互いがいれば、死ぬときも幸せだと…


到着した二人を、監視するものがいた…


「ああ、来てくれたのか…二人とも…特にサヤちゃん…!絶対に…にがさないよ…」


サヤを恍惚な表情で見つめる男…


「でも、邪魔がいるなぁ…消したら僕に懐いてくれるかな?サヤちゃん…」


爪をかみながら、デスクを叩く。その部屋にはサヤの写真でいっぱいだった。


「僕の作ったウイルスに適合しちゃうなんて…なんて魅力的な身体…ぜひ、僕のものにしたいねぇ…!」


そういいながら、男は薄暗い廊下を歩いていった……

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