エピソード15 サヤの想い
本部の中へと入ると…
「退院おめでとうサヤ。そしてご苦労だった。二人とも。」
オルガナが迎え入れてくれた。
「お世話になりました。ボス。」
「ところで…同居生活はどうだね?」
「順調とは言えませんが、慣れていこうと思っています。」
「はぁ!?同居生活ぅ!?尚更許さんぞレド!」
ギャリーはレドを強く揺する。
「オルガナ代表。本当にありがとうございました。レドのことも…私のことも…」
「いやいや、むしろこちらが感謝する方だよ。無事でなによりだ。」
そういい、オルガナは去っていった。
「おいギャリー!いい加減離せ!」
「ちょっと、ギャリー!離しなさい!」
サヤが一喝するとギャリーは仕方なく掴んでいる手を離した。
そして三人で部署に入っていく。挨拶をし、それぞれ事務作業を始めた。
「えーっと、この資料のここって…」
「あ、これはここの部分が…」
息ピッタリで作業を進める二人に部署のみんなはとても驚いた。今までサヤは一切人と話そうとしなかったからだ。
「あんなにイキイキとしてるサヤみたことねぇな。ていうかめっちゃかわいい。俺狙っちゃおうかな~w」
なんて冗談をいう者がいるほどだった。
あっという間にサヤは部署の全員と仲良くなった。が、反対にレドは誰に対してもキツくあたっていた。
「レド!なんでそんなにキツくあたるの!めっ!」
「めってなんだよ。俺は馴れ合いはしない主義だ。」
そういい、コーヒーをすする。
「私の裸見たくせに!」
「あれは故意じゃないんだって!悪かった!この話はやめてくれ!」
サヤのまさかの言葉に部署の全員がコーヒーを吹き出した。
「裸みたってなんだよ!?ずりぃぞお前だけ!」
「コロス」
部署の全員から攻撃を受けるレドを見てサヤは思わず笑ってしまった。
「これが毎日になるのか…幸せだな…」
サヤはとても幸せだった。それも…全てレドと出会ってから…そう考えていると、頭に浮かぶのはレドのことばかり。
サヤは、自分の本当の想いに気づいた。彼を…愛していることに。
サヤは顔が真っ赤になり、トイレに駆け込んだ。
(うそうそうそうそ…レドのこと…好きだなんて…愛しているだなんて…)
サヤは必死に別のことを考えようとしたが、それはできなかった。頭の中はレドのことでいっぱいだ。
自分を落ち着かせながら部署に戻ると…
「おいサヤ!こいつらに説明してくれ!俺は覗いたんじゃないって!」
レドは、まだ部署の皆に襲われていた。
「しくしく…レドに覗かれた…ww」
「裏切ったなこの野郎!くそっ!いい加減離せお前ら!」
賑やかな部署に、サヤは笑った。
これからの毎日がとても楽しみで…幸せで…
しかし、二人にはある危機が迫っていたのだ…サヤの兄が…家に来ること。
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