エピソード12 事件解決!
船内アナウンス:爆破ボタンが押されました。直ちに避難してください。繰り返します…
レドはサヤに肩を貸しながら屋上へと向かう。が、船の爆破の準備のためか、船内は揺れ物が倒れてきて二人は離れてしまった。
「くそっ!サヤ、今そっちにむかうからな!」
そういい、一度迂回してサヤの方へと向かおうとしたが、船内は怪物だらけ。助けにいくなんて、到底無理な状況だ。しかしレドは諦めなかった。
怪物の中をすり抜けながらサヤの元へとむかう。
だが、途中で深手をおってしまい歩くことすら難しい状態になった。怪物に囲まれた中、レドは…
「あぁ、助けてやれなかった…全部…俺が悪いのに…」
死を受け入れた…と思われたがそのとき…目の前にいた怪物の上半身が消えた。
続いて他の怪物の身体もバラバラになり、地面に落ちて行く…
なにがおこっているんだと前を向くと、そこには変わり果て人間であることをかろうじて保っているサヤが立っていた。
左腕は大きな刃物のように変形し、目も赤く染まりギラギラと輝いている。
「サヤ…そんな…ウイルスに…感染を…?」
「うん…ずっと前からわかってた…でも、認めたくなかった。レドに嫌われると思って…」
変異したサヤを抱き締める。
「そんなことでお前を見放したりするか。俺はお前が人間じゃなくなっても…今となにもかわらない…」
「私は一緒には行けない。もし、誰かを殺してしまったら…?怖いよ…」
「そのときは俺がお前を止めるさ。さあ、屋上に向かおう。」
そして二人は屋上へと少しずつ足を歩める。
とてもつらく長い道のりであったが二人は笑っていた。大切な人がそばにいるのだから。
屋上へ着くと、ヘリコプターが待機していた。
「おい!早く乗れ!もうすぐ爆発するぞ!」
二人は足を早めてヘリに乗る。
「大丈夫か?怪我をしていたら救急隊に治療してもらえ。」
二人は椅子に座り、ため息をつく。
「とんだ任務だ…腹は痛いしな…でも…サヤに出会えた…それがこの任務の報酬だよ。」
「こっちのセリフだよ!」
「ウイルスの盗難者確保!ヘリに乗せ本部へと送る!繰り返す!」
「ラグナもクライアも大丈夫だったんだね…よかった…」
そういい残し、サヤは眠りについた。
一方、本部では…
オルガナはレドの部屋にあったテープを見つけ、モーリスとその部下たちに見せた。
「あー…これでも言い訳を言いますかな?モーリス代表?」
「裏切り者か……私も衰えたものだ。」
そういうと、モーリスはバイオテロ共謀や殺人などの疑いで逮捕され、モーリスの部下たちは、オルガナ率いる対バイオテロ組織へ加わることとなった。
………………………
全てが終わって3日程がたった日…
「ここは…本部の医療室…?」
「よかった!目を覚まし…ていたたた…」
目が覚めたサヤにレドは声をかけた。
「サヤが感染したウイルスの件だが…どうやらお前の体と完全に適合して、ウイルスの力を抑え込んでいるとか言われてたぞ。ほら、腕なおってるだろ?」
サヤは自分の左腕を見る。
「本当だ…普通に戻ってる…それに目も。」
そこへオルガナがやってくる。
「サヤ、目が覚めたか。よかった。それとウイルスに感染した君の処遇についてだが…やはり適合したとはいえ、危険がゼロなわけではない。監視役をつけさせてもらうよ。」
「はい…わかりましたオルガナ代表…」
「そう落ち込むな。なんてったって監視役はお前の隣にいる。」
そういい、オルガナは微笑む。そう、監視役にはレドが抜擢された。
「自分が監視役をやるといって聞かなくてねぇ。しかし、サヤの状態を一番把握しているのはレドということになり、監視役になったのだよ。」
「退院したら俺の家に来い。一生の監視付きだがな。」
そういい、レドは笑った。
「レドの処遇も決まっている。ナタリアへと協力したとみられたが、それすらも裏切っていたとの判断がなされ、無罪放免だ。さらに、モーガン逮捕に協力してくれたのも彼だからな。本当に感謝するよ、レド。」
そうして、一連の事件は幕を閉じた。これからは、ハプニングだらけの二人の同棲生活についてのお話…
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