第10話ー希望と絶望ー&エピローグ
俺は荷造りを終え、ライズとしゃべっていた。
「今日でお別れだね!寂しくなるなぁ…」
「あぁ。いつか会えるだろう…」
「そういえばスマホ持ってる?メルアド交換しない?」
「俺、あるけど?いいが…」
「やった!ありがとう!」
俺はライズとメルアドを交換した。これで、ずっと話ができるようになった。
「琉魔。最後のお別れ、やるか?」
「嫌だ。知られたくないからここにいる。」
「そうか…ゆっくりしていくといい。晩餐のデザートだな…」
「そうね…寂しくなるちゃ…琉魔、元気でね…」
ボスは微笑み、瀬恋は手を振ってくれた。俺も振りかえし、笑顔を送った。あいつらの笑顔を見るのは久しぶりだった。
しかし、部屋の外で瀬恋が泣いていた。俺のことがそんなに好きだったんだなぁ…と思ってしまった。
ライズと喋っていると、あっという間に
「琉魔、そろそろお別れだね。バイバイ…」
「あぁ、ライズ、元気でな。メール待ってるぞ…」
この言葉が最後だった。俺は外に出て、里親の相手にあった。
「はじめまして。涙無琉魔と言います。よろしくお願いします。」
「ふぅん。変な名前。お前の名前は今から「殺し屋」な。俺らの苗字は「死蟹」だ。」
「はっはっは。「死蟹殺し屋」なんてなw」
「ごめんちゃ琉魔…こんな人とは思ってなくて…この人、嫌でしょ?」
「もういい。俺はここで育っていろんなことを学んだ。こいつのもとでも学びたいんだ。」
「そうか…琉魔を応援するちゃ。頑張ってね!」
「あぁ。じゃあな。」
「さぁ、いくぞ殺し屋め。」
俺は手を振り、車に乗りこんだ。車に入った瞬間、俺は動けなくされてしまった。
その瞬間、俺は刺された。
「殺し屋め、殺し矢に殺される気持ちはどうだい?」
エピローグー死と生、友達と仲間ー
ライズは悲しみに暮れ、ボスと瀬恋は全くやる気をなくしていたが、琉魔のために頑張っていた。
学校の友達は何も感じず、いなかったことに、そもそも忘れられていた。
琉魔の遺体は車ごと燃やされ、里親と言われていた殺した犯人ごと燃やされた。琉魔のものはほぼ何も残っておらず、DNAも出せない状況。その上、犯人もいない。琉魔は無かったことにされた…はずだった。
仮面と少年〈涙と別れ〉 結花紡樹-From.nanacya- @nanacya_tumugi
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