第9話ー最後の晩餐ー

そのあと、3人ほど殺したが、終わった後決まって熱を出してしまった。さらに、夢に殺した人が出てくるようになってしまった。ライズに打ち明けたら「無理しすぎ。休みなさい。」と怒られた。まるでお母さんだ。

そうこうしているうちに、あと4日間になった。ほとんどの荷造りを済ませ、あと一人を殺すのみになってしまった。俺の気持ちはどうだったのか、いまだにわからない。俺は、どうなっていくのか?わからないまま、最後の晩餐に向かった。



今日の殺しが終われば、あとはゆっくり過ごすだけである。今日は全員で殺す。ライズもいる。瀬恋も…ボスもいる。みんなが俺の近くについてくれている。頑張れそうだ。いや、頑張るしかないのだ。




今日の殺しは、女だった。全く傷がついておらず、服も着ていた。顔に見覚えがあった。誰だかわからない…あ。

「九菜⁉︎なんで…お前まだ生きてたのか…」

「生きてちゃ悪い⁉︎なんか琉魔が最後の殺しだって…ずっと保留されていた私の殺しがここに入ったから…」

そんな話をしていると、急に九菜が羽交締めにされた。

「っ!なにするのよ!離せ!」

必死に抵抗しているが、男に勝てるわけがない。後ろの男がナイフを持っている…

「やめろ!九菜を殺すな!」

「おっと?琉魔さんがそんなこと言うなんて…殺しますよ?」

グサッ…思いっきり刺された。最初はドロドロと、時間が経つとポタポタと血が垂れてきた。内臓が飛び出し、無惨な姿になっている。血管は下に落ち、心臓の一部と思われる臓器がぐちゃぐちゃになっている。その姿は…まるで人体模型をバラしたようなものだった…

九菜の腕は垂れ下がり、顔は下に垂れている。もう、こいつは2度と戻ってこない…あの笑顔、いじらしい顔、導いてくれたあの動き…もう見れないのか。もう…2度と…






そんなことを考えていたら、また気を失いかけた。






ゆっくりと意識を取り戻し、本題に移った。と思ったが、あいつを殺すことだったようだ。俺の任務は、ここで終わってしまった。なんとも残虐な最期だった九菜。親近が湧いてしまう。なぜなのか…仮面のせいなのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る