第6話ー心に張り付いた仮面ー

その日以来、人を殺すことができなくなってしまった。殺す人を前にしても体が動かなくなってしまった。やっとの思いで器具を持っても、体に当てることができない。本当に何があったのか、自分にもわからなくなってしまった。

「琉魔、本当に何かあった?」

「俺にもわからない…人を殺せなくなってしまった。」

「普通にスランプかにゃ?もしくは、仮面がはず…」

「言うな瀬恋!「それ」は言ってはならない!」

「…ごめんなさいちゃ」

「なあ、「それ」とはなんだ?」

と聞いた途端、ライズが帰ってきた。

「すいません席を開けてしまって…大丈夫でしたか?」

「あぁ。だがな…琉魔にも「あれ」が起こるかもしれない」

「殺しを続けるか、やめるかになるちゃ…」

俺にはさっぱりわからない。一瞬、「仮面」と言う言葉が聞こえた気がした。妙に引っかかる…。



どうしようもなく気になったので、瀬恋に聞いてみた。

「そうね…殺すことができなくなった時、どういう気持ちだった?」

「…なんか、その人をぶっ潰すような感じ…」

「なら、あなたは「仮面」に気づいていないようね。教えてあげるから、しっかり聞けちゃ。」

またまたエリートさんのまとめられてる話をしてくれた。なぜだか、ストンと心の中に入ってくる。

簡単にまとめると

1.「仮面」とは真の心を隠すためにつけているようなもの

2.いつかはずれてしまう

3.外れる時期は人次第

というものだそうだ。仮面…俺にそんなものがついてたのか?

「本当に人を殺したい?ずっと。よく考えて。琉魔。」

俺が人を殺すのをやめる?なぜだ…

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