転校生

勝利だギューちゃん

第1話

「ここが、今日から俺がお世話になる高校か」


僕はある高校の前に立っていた。

僕は今日から、この学校の生徒になる。


思い返してみた。


高校3年生の2学期だ。

転校理由は、親の都合だ。


僕は、中学の3年間と転校までの高校2年間と一学期までは、男子校だった。

つまり、女子と過ごすのは、小学生以来となる。


女子に興味を持ち始めてる頃。

ドキドキする。


ちなみに、母親は僕は5歳の頃に、父と離婚。

ふたごの妹がいた。

僕は、父に引きととられ、妹は母に引きとられた。


なので、女性と過ごすのは、小学生以来となる。

(過ごすと言うのもあれだが・・・)


そして、校門をくぐり抜けようとした。


「待ちなさい」

声をかけられる。

「あなた、見慣れない顔ね、何年何組?」


ひとりの女子に声をかけられる。


「あ・・・俺は・・・」

「どうやら、この学校の生徒ではないみたいね」


これが、子供でもない大人でもない女性なのか?

間近で見るのは初めてだ。


「何よ、そんなに女の子が珍しい?」

「珍しい」

「まるで、今や希少価値となった、タガメみたいに言わないでくれる?」


タガメって・・・


「とにかく、部会社は立ち入り禁止よ」

「部外者じゃない。今日から俺はこの学校に通う事になった転校生だ」

「じゃあ、お名前を訊かせてくれる?」

「それは、個人情報なので・・・」

「そんなのが、通ると思う?」


さすがに無理か


「俺の名前は・・・」

「ちょっと待って、貴方の顔は見覚えがあるわ」

「俺はない。使い古された逆ナンだな」

「うぬぼれないで」


へいへい


女の子はまじまじと、僕の顔を見る。


「あなた、もしかして・・・お兄ちゃん」

「えっ?」

「渡瀬大樹くん・・・でしょ?」

「どうして、僕の名前を」


その子は途端に笑顔になる。


「私よ、妹の今日子。今は泉なってるけど」

「今日子なのか?本当に」

「うん」


途端に抱き着いてくる。


「お兄ちゃん、会いたかった」

「僕もだよ、妹よ」


僕たちは、お互いの再会を喜んだ。


・・・なんて、事は起こるはずもないな。。

くだらない妄想はやめて、早い所校舎に入ろう。


今日から僕も、この学校の生徒だ。

新しい生活がんばるぞ!


残りの役半年間、少しくらい淡い想い出が出来るといいな。



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転校生 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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