第39話 転落 ④
前書き
今回も、残酷な描写があります。
お話の本筋とは関係ありませんので、苦手な方はスルーしていただければ幸いです。
25話の後のエピソードになります。
※※※※※※※※※※
『佐藤さん、気が付いて?』
聡一郎さんと本屋に立ち寄って、駅改札口に送られている途中。
耳の中の骨伝導イヤホンと口中のマイクで、慣れれば誰にも悟られずに通話が出来るのよね。
佐藤さんと呼んではいるけど、恐らくは仕事名、偽名でしょうけど。
『は〜い、バッチリと追尾中デスヨ〜?』
少し前から、美穂に尾行されていた。
『排除、お願い出来ますか?』
『ん〜、お安い御用で。でも、由紀さんなら自力で誰にも気付かれずに対処出来そうな相手ですよね?』
『お見合い相手とデート中なのよ、出来る出来ないの問題じゃないのよね。』
『了解です。何か仕掛けてきたら排除でよろしいですね?』
『それでお願い。』
※※※※※※※※※※
警護対象者である綾辺女史からの指示で、尾行者の排除に動き出しましょうか。
ターゲットは今、綾辺女史の先回りをして非常階段脇の柱の陰で待ち構えているようです。
右手には、火のついたガラス瓶を握り、タイミングを計ってる様子。
通称、火炎瓶ですね。
防犯カメラをハッキングして別の場所の非常階段を映させておいたところで、ターゲットが手を振り上げて駆け出そうとしたので私お得意のワイヤーを投げつけます。
無色透明、伸縮自在、意のままに操れますから彼女の右手の動きを止めて火炎瓶が彼女の頭の上で割れるようにするのは造作もないことです。
ワイヤーの先で喉元のツボを突いて声を出せないようにするくらいは容易いですから忘れずにやっておきます。
念の為、投入方式の簡易消火剤をいくつか燃え盛る彼女に投げつけておきましょう。
非常ベルが作動すると厄介ですから。
あとは、明日のニュースにならないように手配するだけですね。
『報告します、排除完了しました。』
『ありがとう!』
今日も、日本は、平和です!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます