第36話 弟と妹と 帰省 ②
「………………………………何なのよっ、もうっ!」
通話を切断した後、父からの知らせに動揺する私。
父さんが再婚?破談!早耶姉、許さん!顔合わせ?
あらゆる情報が、一気に頭の中を駆け巡る。
「………………………………兄さんまで?」
あ〜っもうっ!ストレス溜まるわねっ。
無意識のうちに、スマホで真樹の連絡先を呼び出してタップしていた。
『……………………今すぐに、会いたいんだけど、いいかな?』
………………………………こんな気分で真樹に抱かれたのは初めてだね。
服を着れば見えない所に噛み跡を付けたりして、ストレス解消を。真樹も同じ様に私の身体に跡を残してくれた。
そんな感じで朝まで、ずうっ〜っと、お互いの思いをぶつけ合った。
「……………………何でお前はそんなにタフなんだよっ!」
「ん〜、相手が真樹だからかな?」
嘘だね。私がタフなのは、母の家系と父から受けた鍛錬の賜物だから。結構な数の武術や体術を習わせられて鍛え上げられた結果、完徹3日位までなら毎晩真樹のお相手してあげられるよ?
そんな私と一晩中付き合える真樹も、タフだな〜とは思うけどね。
午後は自主休講。
真樹も自主休講するって言ってたけど、ゼミ絡みの実験だから事務員に実験室利用のキャンセル連絡を入れるだけなんだけど。
真樹も私も、自主休講なんて病欠以外は初めてかも。
父から送信されたチケットを確認してから、最低限の荷物をまとめて空港へ。
『なんでお前とデートなんだよっ?』
『ん〜、ストレス解消?私、明日のお昼の予定でストレス溜まりそうな事をさせられるから。』
空港待合で、帰省土産を買っている真樹と、出逢った。私も買わないと、と思い出して一番小さな箱入りの定番お菓子を購入した。
だって、本気で予算が無いんだもん!
昨日のホテル代で使っちゃったし。
帰省の理由を根掘り葉掘り聞き出して、デートの約束を取り付けることが出来た。
勿論、私の帰省の理由を話したりはしないけど。
帰りも一緒に帰ろうと、約束させたし!
懐かしいな。北の大地に初めて向かう飛行機の座席の隣になった真樹に、父に医学部進学を反対されて心細かった私はずうっ〜っと話しかけ続けていた。
やな顔ひとつせずに話を聞いてくれた真樹に、私はいつしか惹かれて連絡先をゲットしていた。
あ〜、このまま、この時が、いつまでも続けばいいのに!
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