第11話 神様には抗えません
☆田所勇気サイド☆
人生のシナリオが変わっている。
誰か変えたのか?第三者?
な訳ないな。
俺が見てない限りで多分第三者はありえない。
考えながら俺は美奈保を見送ってから。
俺は顎に指を添える。
すると姉ちゃんが、色々あるけどアンタが見守ってやりなさいよ、と笑みを浮かべた。
俺はその言葉に少しだけ考えながら、分かってるよ、と応える。
それから、ふむ、と思いながら玄関から離れてからリビングに戻る。
すると姉ちゃんが、そういや怪奇現象起こってるの知ってる?、と聞いてきた。
俺は目をぱちくりしながら、なんだよそれ。不気味な事を言うなよ、と慌てる。
姉ちゃんは、いや。何か知らないけどさ。最近ノイズが走るんだよ。テレビとか、と脅かす様に話してくる。
俺は考えてから、!?、と思う。
「いつぐらいから」
「いつぐらいだったっけ?私が確認している限りじゃ多分ちょい前だよね。1週間ぐらい前」
「.....何か変わった事ってあったっけ」
「そうだねぇ。ないね。多分だけど。アンタ怖がり?もしかして」
「.....いや。違うけどね」
高校からタイムスリップしたぐらいか。
思いながら俺は考えてみる。
すると姉ちゃんは、まあ怪奇現象って言っても私がぶっ飛ばすけどね、とバァンと手を鳴らす。
俺はそんな姿に、期待してるよ、と冗談めいて話す。
それから俺は、勉強するかな、と思いながら姉ちゃんに、勉強してくる、と話した。
「じゃあ姉ちゃんは家事してるわ」
「ああ。頼むよ。姉ちゃん」
俺は口角を上げる姉ちゃんに挨拶してから自分の部屋に向かう。
その時だ。
立ちくらみがあった。
それから俺はあまりの立ちくらみに手すりを持ってから、貧血?、と考えた。
だが。
その際に幻覚が見えた。
「.....?」
何か病院に居る。
そして俺は誰かを見下ろしている。
それは.....何故か長富だった。
長富は寂しそうな感じで点滴を無数に打たれている。
なんだこの長富は?
そして考えていると長富に慌てて医者と看護師が声をかけ掛けはじめる。
そして長富の心臓が止まってしまった。
「まさか.....そんなバカな.....」
俺はゾッとした。
何だ今のは、と思いながら。
まさか。
考えながら俺は直ぐに長富にメッセージを送ってみる。
すると、はい、とメッセージが来た。
(長富。すまない。お前.....交通事故に遭ったり.....は無いよな?)
(何故ですか?)
(いや。すまない。幻覚を見た。だから)
(心配のしすぎですよ。勇気先輩)
(.....なら良いが.....)
そう長富は話す。
俺はその言葉に複雑な顔のままだったが。
膝を叩いた。
そうだ。
長富が死ぬわけがない。
思いながら俺は立ち上がる。
(すまない。気の迷いだ。長富)
(.....はい。大丈夫ですよ。勇気先輩)
(俺はお前が死ぬ事は考えれない)
(勇気先輩.....)
その言葉を出してから。
俺が、大丈夫。有難う、と送ると。
数秒間沈黙した。
俺はその事に、?、を浮かべて見る。
すると、勇気先輩。その、と意を決した文章が来た。
ん?
(すいません。やっぱりいいです)
(へ?どういう用事だったんだ?)
(何でも無いです。あまり追及すると警察呼びます)
(それは困る)
(でしょう?だから追及禁止です)
私は私なりにやりますので、という感じで話してくる長富。
俺は、?、をまた浮かべながら、まあそういう事なら、と話題を切る。
それから、お前は一人暮らしだったっけ、と聞いてみた。
長富は、はい、と返信してくる。
(大変だな)
(そうでもないです。こんな感じなので寂しさはだいぶ和らぎましたから)
(.....だったら良いけどな)
(私は.....それなりに人生を楽しんでいます。大丈夫ですよ)
俺はそんな言葉に沈黙する。
それから2年後を思い出してみる。
あの別れを。
考えながら俺は眉を顰める。
そして難しい顔をする。
それから、長富。俺はお前にどうにかなってほしくない。だからお前が助けが必要なら必ず助けるからな、と語りかけた。
すると長富は、.....わかりました。勇気先輩が望むなら話します、と切り出す。
(私は2年後。この世から消えます)
(は.....?)
(でも先輩。それで悲しまないで下さい。私は大丈夫です)
(大丈夫な訳が.....何故?)
(2年後に私は病で倒れます)
愕然と共に。
思いっきり青ざめる。
それから、待て。なら今から対策を.....、と言ったが。
長富は首を振る様な感じを見せる様にしてそれから俺に、駄目ですよ。多分。運命には抗えません、とメッセージを送ってくる。
(人間はいつか死にます。だから絶対に抗えません。神様に反逆する事になりますから)
(長富はそれで良しなのか!?俺は良くない!)
(では勇気先輩。どうしますか?まさか運命に抗いますか?それだったら私は、ノー、を突きつけます。無駄だと思いますから)
(だがお前はこの世界に来た理由は未来を変えたいんだろ。だったらそれぐらい)
(確かに勇気先輩の未来は変えたいです。私は貴方と吉田美奈保が付き合うのを止めたい。だけど奇跡は2回も起こりませんよ。だったら私は勇気先輩の未来を願います)
意味がわからない。
何故そこまでしてくれるのか。
考えながら俺はスマホのキーボードを打つのを止めてから外を見上げ。
そしてまた打った。
(何故そこまでするんだ。お前は)
(さて?何故でしょう)
(はぐらかすな。何故だ)
(乙女に追及は禁止ですよ。勇気先輩)
(しかし)
(駄目です。教えません)
結局。
問答しても教えてくれなかった。
俺は盛大にため息を吐きつつ。
まあそれならそれでも良いが、と書いた。
だけどたまには検診はしろよ、とも。
多少でも。
時空を歪める為には必要だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます