続『地球生命体の証拠』 中


 それは、宇宙船内に、あたかも、影か幻のように、ふらふら、現れたのである。


 『こん〰️にち〰️は〰️〰️』


 『あ、わあ〰️〰️〰️〰️😲 でたあ〰️〰️』


 『でました。でました。わたくし、地球の幽霊です。』


 『ち、地球の幽霊?』


 『はい。地球自身の幽霊なり。あなたがたに、取り憑きました。グッドタイミング。』


 『それは、いささか、迷惑な。』


 『なにをおっしゃる。いやしくも、惑星自身の幽霊なんて、かなりの、レアですよ。しかも、悪霊ですよ。なぜならば、地球は、生命の宝庫でした。だから、たくさんの生き物の恨みを抱えていますから。とくに、人類のは強烈です。必然的に悪霊になります。』


 『な、な、なにをお望みで?』


 『あなたがたの母星にゆきまして、恨みを拡げます。疫病、戦争、裏切り、いじめ。あらゆる形で。』


 『お断りします。』


 『できません。幽霊なおもて往生せず、いわんや悪霊をは。です。』


 『どうすれば、諦めますか?』


 『そうれすね。地球を復活させれば。』


 『うなこと、できません。』


 『なら、諦めて取り憑かれてください。』


 スイカ博士は、バナナ博士に耳打ちした。


 『時間稼ぎをしてください。』


 『わかった、……ああ。地球さん。しかし、宇宙は広いのです。そこを乗り越えるためには、物理的テクノロジーだけではなく、一種のメンタルなテクニックをも、駆使しなければなりません。地球に、そうしたテクはありましたか?』

 

 『いやあ。人類は、惜しいところで、西暦2024年だったか、2050年だったかな? ま、つまり、核爆弾とか化学兵器とかで、うっかり仲間内の戦いをして、激しくあえぎ、苦しみ、のたうちながら、ばかみたいに、自滅したからなあ。そらゃもう、ものすごい、恨みの噴出でねぇ。地球が、燃え上がるほどだったのです。』


 『ほう、ならば、出発の準備をさせてください。』


 『良かろうですたい。地球は気が長いずら。待つのは苦にならないべな。』


      🌎️



 スイカ博士と、バナナ博士は、精神エネルギーをも遮断できる会議室に籠って、データを解析しながら、対策を検討したのである。


 『悪霊を祓わなくてはならないが、相手が惑星の幽霊というのは、まったく初耳だ。方法がわからない。』


 『ですな。しかし、地球を再製できればよいわけですよね。』


 『まあな。しかし、プリンを作るようには行かない。』


 『要するに、地球サイズの惑星をワープさせてくればよいのでしょう。それなら、簡単。多少の細工をして、地球に似せたらよいでしょう。かつての地球に似た環境を与えればさらによいかと。地球の悪霊は、あまり知識を持たないみたいですから、やりやすい。我々には、易しいこと。』


 『まあ、エネルギーは、使うがなあ。それが良いだろうな。悪霊を連れて帰るより、はるかに、ましだろな。』


 話しは纏まった。



      🌍️


 


 

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