みなさんっ、美人な幼馴染が超能力使えるんですけどもっ⁉︎

猫の集会

えっ、そこ超能力使わないんっすか⁇

 オレの隣に住んでいる幼馴染は、抜群の美人だ。

 

 でも、幼馴染には誰にも言っていない秘密があるのだ。

 

 誰にも言っていないのに、オレは知っている。

 

 …じゃあ、誰にも言っていないって言葉は矛盾だ。

 

 誰にも言っていないのではなく、オレだけにしか言っていないのだ。

 

 …オレは理屈っぽい。

 だからよく幼馴染にまた偏屈ばっかりいってさ、とよく言われるのだ。

 

 

 そんな幼馴染の真樹まきは、よくオレの部屋で能力を発揮する。

 

 そう、真樹美は、超能力が使えるらしいのだ。

 

 

 お昼近くになると、

「ねー、利人りと今お腹空いたなぁって思ったでしょ」

 とドンピシャで当ててくる。

 

 あと、なぜかオレの部屋に来てポテトチップスを持参してきては、パリパリといい音を立てて召し上がる。

 

 すると真樹美は、

「オレも食いたいって思ったでしょ?」

 なんて聞いてくる。

 

 おぉ。すげ〜よ。

 ズバリだよ‼︎とおやつを分けてもらいながらも感動のあらしだった。

 

 

 でもさ…ある程度の年月が経つと色々とわかってくるもんだ。

 

 昼になれば大抵の人はお腹が空くだろう。

 

 それに目の前で美味しそうにお菓子をパリパリ音を立てて食べていたら、そりゃ食べたくなるってなもんだろう…よ。

 

 

 だから、幼馴染の真樹美は超能力なんかないんじゃないかって最近思うのだ。

 

 

 それをいうと真樹美は、偏屈男と言いながらオレを冷たい目で見てくる。

 

 そんな真樹美は、頭もいい。

 

 ⁉︎

 

 やっぱり…

 

 もしかして超能力でテスト問題が事前にわかるんじゃ?

 

 高校生になるとオレは悪の心をうみだした。

 

「なー、真樹美。テスト勉強しよう」

 オレは真樹美がもし事前にテスト問題がわかるのであれば勉強なんてしなくても大丈夫っていうに決まっていると言うと考えた。

 

 

 で、オレも範囲を教えてもらえる。

 同じ学校でよかった‼︎

 これは、素晴らしい案だ‼︎

 

 と喜んでいると、真樹美は…ガッツリ勉強しだした。

 

 …あー、そこは超能力使えないんだね。

 

 やっぱり能力…使えないんじゃない?って思う。

 

 

 

 

 数日後、学校帰りいきなりの土砂降り。

 

 ちょうど買い物帰り母親が、今から車で迎えに行くよーと連絡をくれたので真樹美も誘った。

 

 というか、まだ誘ってもいないのにお待たせー。おばちゃんほんとナイスタイミング!なんて言い出した。

 

 まだ母さんが車で来るって言ってないのに…これも超能力?

 と思った。

 

 

 で、家の前に着いたんだけど…

 

 なんで車からおりない真樹美…?

 ってか、もがいてる…

 

「えっ、出れない…何っ⁇」

 とプチパニックだった。

 

「あー…、シートベルト外してないよね?」と教えてあげると、

「へっ?あー…あはは」

 と笑い出した真樹美。

 

 天然かっ‼︎

 

 てか、それこそ超能力使えば外せるんじゃね⁉︎って思うけどねー…。

 

 

 迎えにきてもらったおかげでいつもよりもずいぶんと早く家に着いたから真樹美とオレの部屋でゲームをすることとなった。

 

 

「なぁ、真樹美。」

「なに?利人?」

「真樹美の超能力って、そもそもどんなときに使うの?」

 と、聞いてみた。

 

 すると…

 

 いつも使ってるよ?

 と、返された。

 

 いつも…⁇

 

「え?どうやって⁇」

「いまも、よんだ。」

 

 ⁇

 

「よんだ?」

「うん。人の心が読めるの。」

 

 へっ⁉︎

 

 う、うそだろ⁉︎

 

 じ…しゃあさ…いままでずっと…オレの心よまれてた…⁉︎

 

「マジ⁉︎」

「うん。マジ。」

 

 …

 

 はぁーっ…、ヤベーじゃん。やばすぎだろ…

 

 だって…だってオレ…いつも真樹美のこと…かわいいなぁとか、キスしたいなぁとか…って‼︎

 

 はっ‼︎

 

 ヤベッ!真樹美に心読まれてるのに…

 

 慌てて真樹美をみると真樹美は、ニヤニヤしながらオレをみて、

「あー、いまヤベッて思った?」

 とオレの顔を覗き込んだ…。

 

 ば、ばれてる…。

 

 

 てか、てかさ‼︎

 その角度の覗き込み方…そのままキス…できる角度…。

 

 

 って‼︎

 

 ダメだろ!オレ…。よまれてんのに…そんなこと考えたら…

 

「ん?」

 

 真樹美は、どんどんオレに近づく…

 

 真樹美…

 

 その顔の傾きかたって…キスしていいってこと?

 

 いいの?

 

 真樹美の心に問いかけてみた。

 

 するとどんどん無言でオレに近づいてきたじゃありませんかっ‼︎

 

 こ、これはほんとうに心がよめるんだ…。しかも、どんどん近づいてくるってことは…キスオーケーってことなんだろう?

 

 すげー。

 こころどうしで話すなんて…。

 

 じゃあ、するよ。

 真樹美。

 愛してる。

 

 

 チュ〜♡

 

 

 ドスっ‼︎

 

 へ?

 

 オレは軽く真樹美から突き放された。

 

「な、なに?」

 

 真樹美を見ると赤い顔の真樹美がびっくりした顔をしていた。

 

「なにじゃないわよ…。なんでいきなりキス…なんかっ…」

 

「え、だってするよ?って心で言ったじゃん?」

 

 

 …

 

 しばらく黙って真樹美が、

「あ、あれは…ほんとは…きっとそうだろうなぁって思って言ってただけで…」

 とアタフタする真樹美。

 

 えっ?

 やっぱりか…。

 

 あ、でも…

 

「でも、さっき母さんが迎えにくるってわかってたよね?」

 

「…あ、あれはおばちゃんがわたしの携帯にも連絡くれたから…」

 

 …なるほど。

 

「ほんとは、こころなんか完全によめるわけ…ないです。」

 と自白した真樹美。

 

 …

 

「え、じゃあさっき…なんでオレに近づいたの?」

 

「あー…、まつげが顔についてる?と思って取ってあげようとしたの。そしたら…そしたらさ…利人がさ…」

 

 …やらかしたー。

 

「ごめん。真樹美…」

「うん。いいよ。ファーストキスが利人でよかった。」

 

 ⁉︎

 

「えっ?それは…どういう…」

「そういう意味!」

 

 ‼︎

 

「えっ…、真樹美」

 

 でも、

 そっかぁ〜♡オレたち両思いだったのかぁ♡

 

「なら、さっきオレがこころで言った言葉をもう一度いうよ」

「うん。」

 

「真樹美、愛してる。」

 

 オレは真樹美を見つめながら愛をつたえたんだけど、真樹美のきれいなひとみにオレがうつっていて感動した。

 

 そしてそんな真樹美に吸い込まれるようにキスをした。

 

 何度も何度も。

 

 オレはそのとき思った。

 

 真樹美は、ほんとうに超能力がつかえるのかもしれないと。

 

 

 どんなって、それは…オレを虜にする力♡なんちゃってね☆

 

 

 

 

 おしまい♡

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

みなさんっ、美人な幼馴染が超能力使えるんですけどもっ⁉︎ 猫の集会 @2066-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ